2018年7月17日火曜日

180709 時雨くん(筆記体の困難)

時雨くんより

模試の結果が帰ってきて改めて見直して、読解に関しては読む速度には特には問題ないが1単語単位での意味の間違いで落としている問題があった。それ以上に並び替え英作での間違いが点を落としている原因になっていて構文の蓄えの足りなさを感じた。 授業では最近始めた筆記体に苦労しており重なった部分や罫線に合わせて曲線で折り返すなど、自分が文字を書く上で苦手としている動作が分かってきた。

「重なった部分」の苦労はaに,
「罫線に合わせて曲線で折り返す」困難はmやuに出ています


中学生クラスでおなじみ「筆記体」。その効果は本当に絶大です。
なかでも,数学が得意な一派が異口同音に「初めて字がまともに書けるようになった」「筆記体で書くとスペルが覚えられる」と言います。自分なりに筆記体とブロック体をミックスして取り入れている子さえいます。

そんな様子を見ていて、
「自分にとってディスレクシアは,数学力と引き換えのちょっとした不具合に過ぎない」と言い放つ時雨くんにも,筆記体を試してもらうことにしました。

・・・すると,どの中学生よりも,字形を整えるのに大苦労しているのです(*_*)
今,もじこ塾のなかで筆記体で最も苦労しているのは,時雨くんです。

「筆記体って,リズムで書くところがあると思うんだけど。縄跳びみたいな」と言うと「僕は縄跳びができないんです」と。
この比喩はどうやら,的確だったようですorz。


筆記体は体に対して紙を少し斜めにすることが推奨されているのですが、そうするように言うと「軸が…!」と言って激しく混乱していました(゚Д゚)
そんなこんなで、書く様子はかなり苦しそうです。でも彼はとても素直で馬力もあるので,もうしばらく筆記体の練習を続けてもらおうと思います。


私の見立てでは,時雨くんは左右盲が強いタイプのディスレクシア。
bとdはもちろん,sawとwasなど,いろいろ反転しまくってます。
精読するときも最初の15分ほど(日によって違う)は、反転による読み困難が続きます。
音韻認識の困難は少なく、多動やこだわりは一切ない、"純粋な"ディスレクシアです。

知的体力はずば抜けています。
であるがゆえに、過度激動(曲がったことが大嫌いで,自他に対し過剰に公正さを求める)が強くあります。でも,もじこ塾では過度激動の裏面?である,素直でかわいらしい側面のほうが圧倒的に出ています。

骨導ヘッドホンをつけて話している効果だと思うのですが,最初の頃と比べて声がとても穏やかになりました。

授業内容
1) Let's talk (3分間,英語だけで会話)
2) 宿題の確認(筆記体,和訳,英作文,単語テスト)
3) 精読 (チャーチルの伝記。骨導ヘッドホンを使用。交互に音読しては,時々訳を言ってもらう)
4) 和文英訳and/or自由英作文