2020年3月31日火曜日

200327 フォニックス講座(by伏見さん)

もじこ塾は向かいにもう一つ、教室を作りました!
これが集団指導しやすいことこの上なく…今後、集団クラスはすべてこちらで行う予定です。




新中1のフォニックス講座は、3日間のうち土日は中止し、平日の1日のみ行いました。
こういう事態のせいか、いつも以上にひたむきな空気が流れ、「こういうふうにすれば読めるんですね?」「そうだよ、正しい方法で反復すれば、たぶんきっと読めるようになるよ」というテレパシー(?!)で交信するひとときになりました。

伏見さんが助手に入り、生徒にとても寄り添った言葉がけを行ってくれました。そのご報告です:


皆さんこんにちは。伏見です。
本日は今年から中1になる子達のフォニックス講座を担当しました。

新中1さん達、既に英語の勉強には手を付けているそうなのですが、やはりスペルに困難を感じているそうです。

今回は先に少しだけ時間をいただいて、「英語の難しい所は”文字と音の不一致“であり、更に学習するにあたってその注告も説明もないことである」といった主旨の説明をさせてもらいました。

そして「この不一致をある程度パターン化して一致させてくれる法則が”フォニックス“だよ頑張ってね」という感じで授業を始めました。
(伏見さんの当事者感覚に基づく前置きはすばらしかったです。いただきます)

 始めは筆記体を書いてもらいました。慣れないようでしたが、文房具を鉛筆にして姿勢を斜めにすると比較的、スイスイと書いていました。

 そして初めてのフォニックスですが、これがまた大変優秀でした。
ほとんど大きく間違えることもなかったです。
その次のフォニックスビンゴも、ゆっくりではあるものの、かなり的確に答えていました。

ハリボーチャレンジについては、音素構成の区切り・子音と母音の区別が少し難しそうでした。しかし始終わからないということもなく、根本の理屈は理解できているようで、少し教えるとすぐにモノにしていました。
(単語を聞いて、いくつのオト(音素)からできているか、分解することですね。まさに、ここが難関です。

こんな優秀な子達が、もしもフォニックスを知らずに英語の授業を受けて先生から”出来ない子“のレッテルを貼られていたら、と思うと恐ろしくて仕方ありません。

 最後に、英語学習は全部やろうとしないで読めるものから覚えていこうね、と先生がお話しして授業を終わりました。
(「フォニックスで読める単語から覚えましょう」ということです)
皆さんフォニックスに有用性を感じて楽しく授業を受けられたそうです。
 この先も険しいでしょうが、頑張ってほしいと思います。

2020年3月21日土曜日

200217 国立クラス byみかんさん

さまざまな特性をもつ生徒に適した英語教授法を研究している「みかん」さんによる,中2クラスと中1クラスの日誌です:


こんにちは、助手で大学院生のみかんです。
今日は、とある月曜日の中2・中1クラスの様子をお届けします。


とある日の中1クラスでは、不規則動詞を覚えたり、whoseの疑問文の語順を学んだりしました。








不規則動詞の活用を覚えるゲームでは、もじこ先生が言った動詞(不規則に活用するもの)の発音を聞いて、その動詞の原形と過去形、過去分詞形のカードをカルタのようにとっていきます。

まずは、紙に動詞の原形、過去形、過去分詞形をみんなで書きます。







一度回収し、カルタのように机に並べ、もじこ先生が言った単語の音をもとに、その動詞(原形)と、過去形、過去分詞形のカードのうち、どれかを取れたら得点。
ものすごく盛り上がります!


最初の音(なのか文字なのか…?)が同じ単語を「これ合ってる?」と不安げになりながら取る場面も見られました。
※単語の中間までしっかりデコーディングすることをさぼると,drink- drank-drunkをdだけを手がかりに探したりします。それでbringを間違って取ったりします…


ゲームとして全力で楽しみながらも、ゲーム終了後に残ったカードを、どのようにみんなに分配すれば全員が公平に学びの機会を得られるか考えて一緒に学びの時間を作っていく様子が印象的でした。

~~

また別の日は、whoseの疑問文を色付きのカードを使って学びました。




考えたことがなかったけれど、実はwhoseの疑問文は、語順が難しいです
(きっと丸暗記でなんとかなっていたのでしょう。これまでのwhatの疑問文等とは語順が違う!全く目を向けたことがありませんでした)。

whose ~ is this? という文章を、それぞれ単語ごとに違う色のカードを使うことで、語順を視覚的に学んでいきます。

whoseの疑問文の語順は、what~?等の語順とは違うという難しさがあります。
What is this? ()これは何?のときは、whatという疑問詞の次にすぐis(動詞)がきます。
When is your birthday? (誕生日はいつ?)と聞きたいときも、疑問詞whenのあとにすぐに動詞isが来ます。
しかし、whose bag is this? は、whoseのあとに物を表す名詞を挟んでisがきます。
「誰のもの?」と聞くためには、そこに物がなければ聞くことができないため、whoseのあとにbagなど、物が来ます。

この語順の違いを今まで考えたことがありませんでしたが、色つきのカードを使うことで、ただ文字をノートに書くよりも語順をさらに意識できる気がします。

Whose book is this?
This is my book.
Whoseとmyのカードの色をそろえることで,
Whoseにあたる部分が平叙文になるとmyになることを教えようという趣旨です。


~~

中2クラスでは「読まないghや読まないk、読まないwのついた単語」のビンゴをやりまし
た。
私は「読まない文字は(斜線等を引いて)消してしまう」ことをもじこ塾に来てから初めて聞いたのですが(どうやって今まで英語を学んできたのか、過去の自分に聞きたくなります)、
「読まないものは消しちゃっていいよ!」というもじこ先生の言葉を聞いて、自分で読まないghや読まないkを探して消すという動作をすることで
「これは読まないghだ」とか「これは読まないkか?」など、自分のなかでも「読まない」というルールを覚えやすくなるのではないかと感じました。
と思っているのもつかの間、みんなリズムよく斜線を引いて読まないghやk、wを消していきます。


このビンゴをすると、どの単語がどのように読まれているか(読まれがちか)がわかります。

例えば読まないghシリーズの単語のうち、
taught (teachの過去形・過去分詞形)は、”gh”は読んでいませんが、最初のtauの部分をsoughtの”sou”やthoughtの”thou”と発音したり、fightも”gh”は読まないけれどfitという発音になる場面が見られました。

taughtとthoughtは外見がとても似ているし、もはや発音の違いが、最初のが”t”か”th”の
音かで区別するしかないので、自分が発音する場面だけではなく、聞き取りの場面でも難しい単語だと気づかされました。

またthoughとthroughも発音の区別が難しそうでした。外見が似過ぎている単語ランキング堂々の一位のやつですね。

そもそも同じ”th”と書いてなぜ発音が異なるのか…なにかルールがあるかも?と思いましたが、少し考えて文頭のthの後に母音がくるとthは有声音になり(though、they、their、there、thusなど)、文頭のthの後に子音がくる場合は無声音になる可能性が高いのではないか、という結論に一旦落ち着きました(through、threadなど)。

が、早速例外を見つけてしまいました…(theme, thirstyなど)。英語って本当に発音とスペルが不規則で難しいです。

他にも、oughtの”ou”の発音が、soundやroundの”ou”の音になっている場面もありました。
でもこれって、ouを以前学んだ時にsoundやroundの”ou”の音がしっかり入っているからこその間違え方だよなと思いました。今回のoughtの”ou”は二重母音のため”o”を長母音にして読みますが、soundやroundの”o”は長母音にはならないので、例外的な単語と言うことができると思います。
※そうなんですよね。。フォニックスを徹底すると「良い間違い」(フォニックス通りに呼んでしまったことによる間違い)というのが必ず出てきます。これらは1つ1つ,「これは例外なんだよ」と伝えてつぶすしかないようです。

コロナウイルスで学校が休校になったり卒業式が中止になるなど影響が出ていますが、みなさまお身体にはくれぐれもお気をつけください。みかんでした。

2020年3月17日火曜日

ハリボーチャレンジ(2)(音素を操作する練習)by伏見さん

ハリボーを使った演習には、ある単語を言い、それに含まれる音素を1つずつ変えることで別の単語にしていくというものがあります。
たとえば

snack→sank→sand→sound→south→mouth→math→match→mad→dam→dime





・・・と変えていきます。

このとき、生徒はハリボーを並べて記憶の助けにすることはできますが、文字を使うことは禁止です。


この演習では、音素を操作する力(音素を頭のなかにとどめ、削除したり、追加したり、入れ替えたりする力)が要求されます。
これが苦手な生徒は、英語だけに極端にディスレクシアが出る傾向があります。

この演習では、字を書くのがキライなはずのもじこ塾の生徒が「字がほしい~!字を書かせてくれ~!」と叫びます。そこを制止して「オトで考えるんだよ!」と命じます。
文字の存在意義が腑に落ちる演習かもしれません。

これについても、伏見さんが書いてくれました。前回の続きです:

☆  ☆  ☆


・・・しかしながら1番難しいのが、二つ目です。
この学習もハリボーとポイフルを使って発音を並べるものですが、こちらは格段に頭が疲れます。

まずハリボーとポイフルを言われた単語の通りに並べます。

例えばそれが『start』だったとしましょう。

次に「後ろの”t“を外して」と言われたら、ハリボーの子音を外したりしつつ、頭の中で「start」から後ろの「t」を取って『star』にします。
次に「”ar“を”and“に換えて」と言われれば、指示通り『stand』にします。

この様な調子で母音や子音を外したり変えたり、また前後で交換してみたりしていきます。
最後まで間違わずに頭の中で入れ替えを出来るか、というゲームですが、これは絶対にフォニックスを分かっていないと出来ない学習です
そしてその上頭の中だけで考え、覚えておく問題ですから、普通に英語が出来る人でも難しいと感じると思います。生徒さん達も目に見えて疲労していきました。



 私は日頃からフォニックスが英語学習に大変有効だと身に染みて感じています。
本日のフォニックス学習は本当に疲れたと思いますが、絶対に生徒さん達の学習を手助けしてくれる筈です。

 私はフォニックスを知るまで、単語を頭に思い浮かべる、ましてや覚えて書くなんてほとんど出来ませんでした。
英語を覚える事はとんでもなく重労働でしたし、出来たとしても割りに合わなかったので、その先の英語学習の事を想うと、どうしようもなく絶望的な気分になってただただ悲観していました。

中学校一年生の段階でフォニックスをしっかり分かりやすく教えてもらえていたら何と良かったか。

 最近ではフォニックスのお陰で、音を聞いただけでボンヤリとその単語の綴りの影が頭に浮かんでくる様になりました。
まだまだ精度も低いので、”ちょっと英語のカンが良くなった“程度の話なのですが、私としては大きな進歩です。何の指標も見出せず途方に暮れていた頃とは雲泥の差です。

 生徒さんも私も、積み重ねしかないのでしょう。
しかし積み重ねた物を実感できるというだけで感覚は変わってくると思います。
頑張ってね


※なお、このアクティビティは生徒が知っている単語で行うべきだそうなので、初級すぎる段階ではできません。


2020年3月13日金曜日

200226 ハリボーチャレンジの方法(1)by伏見さん (動画付き)

ハリボーチャレンジについて,伏見さんに書くようお願いしたところ,力作を書いてくれました: 




皆さんこんにちは。伏見です。
今日はハリボーとポイフルを使った少人数での学習の様子をお伝えします。

(なんと、生徒がハリボーチャレンジの様子を撮影してくれました!
取り急ぎ,貼ってみます)

まず一つ目はフィギュアなどの小物を用いて、ハリボーとポイフルで単語の音の確認を行うものです。
ハリボーチャレンジは、英単語が音素から出来ていることを知るための練習です。
文字抜きで考えてもらいたいので、単語を文字で表す代わりに、フィギュアを使います。

初めて知る単語で行ってはいけないらしいので、中1の1学期に登場する程度の単語は知っている必要があります。


例えば、“旗”と“カエル”と“犬”のフィギュアを並べたとします。これらを英語で発音した時、1つだけ仲間外れがあります。

※「最初以外、おしりの方のオトを聞いて、仲間2つと仲間外れ1つを選べるかな?」
という言い方を、今はしています。
韻を踏んでいる単語を選んでもらいます。




旗「flag」、カエル「frog」、犬「dog」。
これらをフォニックスの要領で細かく分けて発音すると、“旗”だけ後半の音が「アグ」と言う感じになっており、“カエル”と“犬”は「オグ」と言う感じの音になっていることがわかります。
この場合、旗「flag」が仲間外れになります。


 単語の綴りを見せられればおおよそ正確に答えられそうですが、フィギュアだけを見てこれを行うとなると、自分の中のフォニックス的正しい発音の知識と、違いに気がつくセンスが必要となります
「違いに気がつくセンス」!これが音韻認識のことです

今回のこの学習は初めてだという生徒さんもいらっしゃいましたが、やはり苦戦していました。
何度か口で音を鳴らして「これかな?」と間違えながら頭を回していました。
慣れるまでは大変だと思いますが、確実にフォニックス的正しい発音のセンスが養われるので頑張ってほしいです。

 そして、フィギュアの中でどれが仲間外れの単語か分かった後は、ハリボーとポイフルでその音を再現します。

これがハッキリ音節がわかるような単語だと再現しやすいです。

しかし、「音としては2音節あるのに、子音と母音が妙にくっついて1音節にしか聴こえない」ということが頻繁にあります。
ar、orは「rつきの母音」として1つのオト(音素)として英語ではカウントします。が、やはりこれは強引な説明なので、慣れないうちは生徒はとても苦労します。
また、CV(子音+母音)を2つのオト(音素)に分解するのも、日本語ととても違う部分なので、最初は苦労が大きいです。「"dog"は『ド』と『グ』の2つの音から出来ているのではないの?」と。


また、母音はポイフル、子音をハリボーにして単語の音を並べていますが、「子音ハリボーが抜けている」「実はこの子音とこの子音、発音が一緒だから色も同じにしなければいけない」などと数々のトラップがあります。
フォニックスを使って単語の音の構造を一生懸命に考えるので疲れるのですが、生徒さん達は苦悶の声を上げながら打ち込んでいました。

ハリボーを正しく並べられたら、一つひとつのハリボーに対応する文字を書いてもらいます。
表音文字のなんたるかが腑に落ちる瞬間です。

伏見さんが指摘する重要なポイントは「ハリボーチャレンジにはフォニックスの知識が不可欠」ということ。
おそらく、ネイティブ感覚ではわからない部分だろうと思います。
英語にはどのようなオト(音素)があるかを明確に定義してもらってはじめて、
/dog/をd・o・gに分解できるのです。


2020年3月7日土曜日

200227 木曜中1クラス(海外発のゲームの効果)

木曜の中1クラスは,ミリオタぞろいのクラスです。
コタくんは,小学校教員志望らしい,かつ現役高校生らしい感想を寄せてくれました:


今日は、動詞の活用をカードで答えるゲームを途中で挟んだ。
ゲームは、いくつかの動詞の原形・過去形・過去分詞形の3つの活用が書いてあるカードがあり、まずそれらを全員で一度唱え1)、
その後、その内の一つが出され答えられないとカードが増えていくという方式のものだった3)。
※不規則動詞活用を覚えています。毎回10個ほど扱います。1)カードを見せながら言って確認、2)かるた、3)坊主めくり


その、ゲームの中では発音が苦手な子はやはり同じ単語を何度も繰り返してしまう傾向があった。
何度も同じ単語を繰り返しているため、活用は覚えているのだろうがやはり発音に苦手があるので一つの単語をクリアするのに他の生徒よりも時間がかかっていた。




また、文字を書くドリルがある程度進んでいる子でも、今回は特殊な変化をするものが多かったのでなかなか覚えるのが大変のように見えた。
特にgoは、wentgoneのどちらが過去形なのかを間違えている子が多くみられた。
(go-went-goneの順番がごっちゃになるケースがよくみられます。
やはりディスレクシアは順番の感覚が薄いようで・・・)

また、今日感じたのは、やはり海外発のゲームと関連させれば英語を自然と覚えることができるのではないかと思った。
木曜日の中学生にはミリタリー系のゲームが好きな子が多く、そのようなFPSのゲームであれば、英語表記のものなども多いため覚えやすいのではないかと思った。
(海外ゲームを通じて表現を覚えるケースは,もじこ塾の生徒でよくみられます。
チャットでかなり英語ができるようになったという生徒もΣ(゚Д゚)。

今の中高生にとって,ゲームは英語を使って覚える場でもあるようです・・・でも,これは自分で出会って気に入ったゲームだからこその効果なので,これをお読みの親御さんにおかれましては,くれぐれも「どのゲームが英語を覚えるのに効果的なのか」と詮索しないようお願いします!)

2020年3月5日木曜日

200207 金曜中1クラス

すみません,ここのところ事務作業量が膨大化しており,ここまでたどりつけない日々が続いています・・・
助手の感想が続々とあがってきています。しばらく,それらを紹介します。




金曜日の中一クラスははじめましてのピノコです。
至らないところも多いとは思いますが、よろしくお願いします!

1. 筆記体
2. フォニックスビンゴ(oa,ow,ea)
    ビンゴは着々と難しくなっていきます。
3. 質問特集
4. AGO
5. 不規則動詞活用
 (1)かるた,(2)坊主めくり
6. 疑問文
7. 不規則動詞活用
   (3)プリントの問題を解く


今日のクラスでは不規則動詞活用を使ったゲームをした後に、一般動詞の疑問文を作りました。普段質問特集で疑問文には沢山答えていますが、疑問文を作ることは少し新鮮だったのではないでしょうか?
theyなどの複数形に最初は戸惑ったようですが慣れればサクサク答えていました。

フォニックスビンゴの制作がひと段落したので,最近は文法の教材についていろいろ考えています。
新しい文法事項は,短冊(カード)に書いて示すのは,自分のなかではだいぶ定着しました。小さなことですが,どこに注目すべきかがわかりやすくなるように感じます。
このとき,短冊を目の前で作ってあげる(ものによっては生徒に作らせる)のもポイントだと感じます。