2023年9月3日日曜日

高認受験日誌(終)~各教科の対策法、精神面について~

長年、もじこ塾の助手をつとめている紺さんが、高認に合格しました!
ディスレクシア的、大人の高認対策です。それではどうぞ:

こんにちは、紺です。
 先日、高認の結果が届きました。無事すべての教科が受かり、高認合格いたしました!(おめでとう~!!byもじこ)
もじこさん、助手のみんな、生徒さんや生徒さんの親御さん、趣味の友達たちなどなど…いっぱい応援ありがとうございました。すごく嬉しかったです…!!この場を借りてたくさんの感謝を。

この受験を通して感じたこと、勉強中に感じていたこと、各教科のことなどを、この記事にまとめて書いていきます。高認の合格通知に点数は載っていなかったので自己採点時の点数と、一番最初に過去問解いた点数を比較用に載せてみます。毎回ものすごく長くなってしまいましたね。今回でおしまいですので、お暇なときにでも目を通していただければ幸いです。


なんと!英語が7割とれている・・・!最初から・・・!
(これについては本人からのちほど)

数学の伸びがすごい!
一方、国語はなんかあった?って感じ。調子に波があるのはディスレクシアあるあるですね。


自己採点した時は(これは国語と数学を落としたかもな……)という不安がありましたよね…。
※ 国語と数学は自己採点に使えるメモすら残っていないほど解くのに一生懸命だったらしくて、自己採点できた範囲でだせた点数です。「この点数でも受かる」という判断には使えない数値ですのであしからず…。




【国語】
30点くらい配点がある古文漢文は、勉強すること自体捨てました。もちろん最後まで目を通して問題もすべて解くんですけど。捨てた理由は別の外国語にしか感じれないから。英語だけでお腹いっぱいww 英語と違って音情報で勉強できないのも大きいのかも。
もじこ塾の生徒は、ほぼ例外なく古文漢文が苦手です

本試験では現文でもミスが目立ちましたね…すべて解くのは大事。




【数学】
数学のドリルに書いてあることが異国語に感じていた状態からスタートしたわりには、がんばったほうだと思います…。幸い自分は、どの教科でも粘り強さを発揮すれば、できるようにはなっていくのですが(普通の人からみたら亀の歩みです)、数学は苦しいトンネル時間を一番長く感じましたね。いまもトンネル内にいます。
私は公式や定理が覚えられないんだけど、なんでそうなるのか…という原理にもピンときていないため、導き出すこともできない。だから古典的ですが公式を手で書いて、口で唱えながら、体感覚に響かせようとしました。
一つも覚えられませんでしたが…(やらないよりはまし、の精神)


【英語】
宣伝のようでアレですが…、絶対にもじこ塾の日々の仕事のおかげです!!wwww 
勤務時間を勉強に含めていいのなら、おそらく一番勉強していた教科になります。
受験期間+6年超くらい。
解き方が昔からがらっと変わったので(昔はフォニックスを知らない)、紙面を眺めるだけでなく、音がわかるようになったんで発音問題が解けるようになったし、目で読んだあと音にしてから単語の誤読に気づけるようになりました。
もじこさんの前で解いた過去問で、easy(イージー)とessay(エッセイ) をとりちがえて読んでいたほど、仕事で生徒相手に教えるようになっても、誤読は全然減らないw
日本語でも視読メインの私ですけど、フォニックスは超有用です。
文字みた瞬間に音が鳴る・音を聞いたら字が浮かぶ…みたいな融合(自動化)感覚は、6年触れててもあまり感じてないですし(日本語でも起きない)、私の年齢的には脳の変化は起きないな〜とも思っているんですが。それでもフォニックスを知ることは、英語文字に接するための手持ちアプリが二つに増えたような、手札としての頼もしさを実感しています。

すごい!
紺さんは文法を抽象的な形ではほとんど記憶してないんです。なので文を見て構文解析することはあまりできません。でも、中学生クラスで扱う文くらいなら耳なじみがあり、そこから文法法則を帰納的に導くことができます。
「something to drinkってなんか言うよね。ってことは、something to eatともきっと言うよね。このtoって何?」とはなりますが、そこで「somethingのあとのto不定詞は形容詞用法って言ってね」と説明すると「(苦笑)」となります。

このような理解だけで、語句整序も解きますし、長文も解きます。
それで高認で7割とれるということは、「耳なじみのある表現」という記憶法に頼る場合、フォニックスがいかに重要かということですね。
なぜなら、見た単語を正しく音にすることで、「耳なじみのある表現」に結びつけることができるのですから。 



【科学と人間生活、生物基礎】
とにかく固有名詞が多い教科なので、参考書を読んでるだけで眠くなっていく…。Zzz…。
らくがきしたり擬人化っぽく捉えて、自分が飽きたり寝たりしないように、取り組み方を工夫しました。参考書をよんでから「自分流に描く」という勉強方法が多かったです。わかんなければ描きながら「…ん??」って気付けたりするので…。
科学と人間生活で選んだ大問は
「熱とエネルギー」
「食品の栄養素」
「食品と微生物のかかわり」
「日本列島の地震について」
です。上3つは参考書の勧めと噛み合ったのでその通り勉強しました。ただ、地学問題だけは参考書の著者が「天体」を選ぶようにとして天体問題対策しか載っていなかったです。
そのため文科省からDLした過去問で勉強しました。私は地質問題のが好き(かつ天体が苦手)で関心もあったため、ここは自分の感覚で選びました。地震問題はラッキーだった。


【現社、地理B】
過去問と参考書を数回分、解いたのみで挑みました。社会が得意科目のようなので、浮いた時間は他教科に振りました。私の地理好きは日本に限ったものですが、今後は世界のほうも知っていけたら面白いのかなあ…と思いました。


【世界史】
YouTubeで解説動画をみたりしました。あと、助手のテュールくんが世界史が得意だったため
「どうやって世界史を好きになったのか?」
「とっかかりは何がいいの?」
「どうしたら苦手意識が消えるんだろう?」
という部分を、ひたすら聞きだしました。w 
苦手意識のあるものは、それを好きな人から良いイメージをひたすら聞いて、フラットな目線に戻すのが一番早い方法だな〜思っていたためです。
私は語呂合わせも年号の4桁数字も苦手なので「西暦〇〇年代=〇〇世紀−1」ってことだけをがんばって覚えて、おおまかな時代を理解したらOKということにしました。
世界史の全体像は、まださほどわかっていない気がします。ですが苦手意識は消えて、地理とつながるとめちゃくちゃ面白そう〜!と感じれるようになりました。
感謝感謝。

「その科目が好きな人に、その科目の魅力を語ってもらう」は、とてもディスレクシア的なアプローチですね!ある種の全体像から入るといいますか。


++++
そのほか。

【安心しない性分】
テストってものは何が起きてもおかしくない、という気持ちが常にあって。もじこさんや助手の人たちに「大丈夫でしょ〜!」という言葉をいただいたときも、あまり楽観できない性分でした…。過度に不安になっているわけじゃないんですけど、安心することもできない分、淡々と勉強を進めていました。


【教材をアレンジして使った】
参考書に「これだけは覚えよう!」ポイントなどもあったんだけど、使うかどうかをシビアに見極めていた気がします。「普通の人向けの解説だし〜」と捉えてアレンジして使わせていただきました。
「素人がアレンジするなんて!」と思われる気もするのですが、子供の頃はここが区別できず高いフラストレーションがありました。とはいえ視読(得意)を覚えて伸ばした結果、英語で行き詰まる経験も学生時代にやっています。
独学の(得意の)限界も、教科書通りの苦しさも、両方知った上でのアレンジっていう感じですかね…。自分向けの試行錯誤ですので基本、人に勧めることはしません。いちおう記録として書いています。

見極めは大事ですよね、ディスレクシア的には特に。
同調圧力が強い日本社会だと、「素人がアレンジするなんて」と自分で自分を縛りがちな気がしますが、自立した学習者になるためには大事なことです。


【自学メイン】
一般的な人と比べると、理解するペースや軌道が変だと自分では感じていたため、一人で進める自学が相性がよい気はしました。じっくりと浸透してく遅さとか、読んで描きながら咀嚼していくスタイルなので、コピー用紙や古いノートの切れ端を使ってどんどん書き捨てていきました。日誌を書き始めてからが受験勉強期間でしたが、集中したりしなかったり、時にはがっつり現実逃避して、気が済んだら勉強に戻って…っていう。毎日コツコツはできていない、ムラのある勉強でしたね。読んでも頭に入らない日も珍しくないため、とにかく勉強嫌いにならないことを第一に、気分転換は積極的にして、一個ずつがんばる感じでした。進捗表も作ったなあ。
日誌で紹介してきた高認参考書を軸に、YouTubeとか、ドキュメント番組とか映像も書籍も音情報もいっぱい使いました。いい時代になった〜。

YouTubeの授業動画はディスレクシアにとって福音ですね。助手も生徒もそう言ってますし、積極的に使うべきです。ほんと、いい時代になりました。


最後に、ディスレクシアにとって不可欠の、モチベーションの話です・・・


【モチベーションの話】
これが一番の肝。
参考書が解けない時、問題文を読んで意味がわからないとき、壁にぶち当たったとき…そのたびに「なんでこんなことをしているんだ…」という想いが頭によぎります。

子供の頃から
「…給料ももらえないのに、やる気があっても何度も寝落ちるよくわからん苦行をタダでだなんて……なん…もう………気が狂っとる」
って真剣に考えていました。時間や労力が割に合わないというのを表現したかったんだと思う…w 

↑この気持ちやセリフは、大人のいまも全然蘇ってくるし、勉強して凹むたびに「そもそも何でこんなことを…???」の視点に、何度も何度も立ち返ってしまうのですよね。
だからこそ、メリットや自分の意思を汲めていない勉強なんて、ディスレクシアには無謀で酷だ…ということを再確認してしまいました。受験を決心するまでも時間をかけました。大人の学び直しの場合は、自分の気持ち一つでいつでも逃げられる環境でもあるし…。
締切・期限の存在もかなり有用でした。自分の頭をアップデートするとか、履歴書にかけることを増やすだとか、目指す方向性に複数の目的や意思を絡めるのは、私には必要でしたね。

目標や目的とは別で、自分の中での納得感を得ることが一番重要でした。

目標、モチベーション、納得感。学習障害が「勉強」(→座学や問題集などで知識を頭に定着させること)するには不可欠なものたちですね!
紺さんは、一度決めたらずっとコツコツできるタイプ。「うさぎとかめ」のかめさんタイプです。全教科、自習(と少しの質問)でここまで実力をあげたのは、本当にすばらしいです!


長々と日誌を書かせてもらいましたが、合格したので無事終了です。
読みにくい文章だったと思います。ここまで読んでくださったみなさま、応援してくださった方々、本当にありがとうございました!

それでは〜。