2020年10月25日日曜日

201001 Ronくん

もじこ塾に中2から通い,現在高2のRon君。彼のクラスはたびたび授業日誌に登場してきましたが,このたび生徒本人が初めて文章を書いてくれました。

中学受験後,中1ショックをまともに食らったのち,ディスレクシアながら英語を読めるようになった彼が,どんなふうに英語を学んだか/学ぶか,これから少しずつ書いてもらいます。

~~

今回から投稿することになりました。

まずは、もじこ塾に来たきっかけから述べます。


僕は小学校時代までは特に自分が他の人と大きく違うとは思っていませんでした。

せいぜい、漢字が多少書けない程度でした。


しかし、中学校にはいると英語という科目がありました。

日常的な会話を書くという簡単なテストだったにも関わらず、最初の中間考査ではクラス最下位の成績でした。

迎えた期末考査では、かなりの勉強をしたものと記憶していますが、努力はあまり実らず下位であることは変わりませんでした。

いくらやってもスペリングが全く書けなかったのです。


そこで、蒲田のMaru先生→に通い一年ほどフォニックスと簡単な文法を習いました。

そこで身につけたフォニックスは単語のスペリングを覚えたり、単語を読むのに大変役立っています。

フォニックスを会得した僕は普通の人よりも単語が覚えやすかったこともあったくらいです。


その後、Maru先生の紹介で南新宿のもじこ塾へ転塾しました。

今でもやはり苦手ですが、成績は中位あたりまで上昇しています。


~~

これは日本フォニックス史(?!)に残る重要証言と言っても過言ではありません。

Ron君がMaru先生に教わったのは,ジョリーフォニックスです。



まだ,日本語版のジョリーの教材が出る前の話です。

Ron君は,Maru先生のもとで1年ほどみっちりと,フォニックスの授業を受けたそうです。
その効果について,現在形で語っているのは,注目に値します。

というのも,日本でディスレクシアの生徒が早い時期にフォニックス指導を受けるとどうなるかは,まだエビデンスをとっている段階なのです。
上の発言は「中1でシンセティック・フォニックスを体系的に学ぶと,大学受験生になってもなお効果が感じられる」という証言なのです。


もじこ塾では,日本の中学生向けにジョリーをアレンジした形でフォニックスを教えていますが,今でも小学生が英語を学ぶなら,ジョリーこそが最良の教材だと,もじこは確信しています。



2017年に日本語版が出版されました。ジョリーの伝道師,山下桂世子先生の偉業です。
実はもじこは同書の訳者として,山下先生をサポートしています。


ディスレクシアに,フォニックスの徹底指導は欠かせません。
が,ディスレクシア英語教育はフォニックスの後も,まだまだ独自のアプローチが続きます。
それについて,今後Ron君とともに,回想してまいります・・・

2020年10月20日火曜日

nonresponder用クラス教材

休校期間中に、新しいクラスを作りました。

ディスレクシアの中でも、フォニックスの定着にとりわけ長い時間のかかる生徒たちがいます。
このような人達をnonresponders(ノンレスポンダー)と呼ぶようです。

(#もじこ塾のこれまでの歴史のなかで、中学の3年間、毎週フォニックスを使って単語を読む練習をしてもなお、完全にフォニックスが定着しなかった生徒が、数人いました。)

そのような生徒たちを対象とした、無学年制のクラスです。
nonresponderと呼ぶのは抵抗があるので、もじこ塾内では「☆クラス」と呼んでいます。

この生徒たちにとって、英語を読めるようになるのは,本当に大変なことです。おそらく入試では使い物にならないことでしょう。それでも「将来のために、ちょっとでも読めるようになりたい」と希望して集まっているのですから、その意欲には本当に敬服します。

"何年生なんだからこれくらいはできないと"という必達目標によって授業内容を決めるのではなく、本当に生徒が分かっていることと分かっていないことの境目まで下りていくことの大事さを毎回ひしひしと感じるクラスです。
この境目にぴたっと合わせることができると、授業は本当に倦み疲れるものなのですが、でも深い充足感があります(…と思います)。

授業では、中1クラスの内容を、さらに復習や反復を増やして行っています。

~~~~

こんにちは。助手の紺です。
今日は ☆クラスの教材を紹介します。

☆クラスで使用した教材のPDFデータへのリンク→
(上のフォームに入力後「送信」をクリックすると、Google Driveへのリンクが開きます)



フォニックスビンゴ。フォニックスの徹底をするクラスで、
フォニックスの定着に苦労する生徒を応援するクラスなので
ゲーム性よりは、焦らずじっくり読んでいくという感じ。



文法や単語のプリントも、音読もやります。

※プリントの進め方:
(1)指導者が問題を読んであげて(場合によっては意味も言ってあげて)、生徒に口頭で答えてもらう。
指導者が読むときは、読んでいる場所を鉛筆などで指して、どこを読んでいるかわかるようにする

(2)書けるようなら、正解を書いてもらう。
できれば書く様子を見守り、スペルミスがあればその場で訂正させる

(3)指導者が意味を言い、生徒に英語を読んでもらう

※(2)ができない場合は、(1)をもう一度行うとよい。



もじこ先生いわく「このクラスはハリボーチャレンジは欠かさず行う」とのこと。
音韻認識、聞いた言葉の音を、フォニックスの単位に分解していく訓練です。





++++
授業日誌には初登場だと思いますので、☆クラスの紹介をします。
☆クラスは、音韻認識訓練と、フォニックスの反復徹底をメインに行っています。
文字と音のルールの定着が難しいのは、ディスレクシアに共通している悩みですが
その定着度は、当事者の中でも個人差があるものです。
学年はバラバラで、かつては別クラスにいた生徒たちです。
彼らにはフォニックスの徹底が一番重要だろう、という生徒たちを集めています。


10月15日に、初めて☆クラスを見学(&助手)させてもらいました!
違う特性も併せ持っていると思われる生徒もいます。みんな学年は違うし、
学校後に来ているし、当人に読み書きそのものの疲れやすさも深めな人たちです。
各自は自分のプリントに向き合うことに精一杯な様子で、生徒同士の会話は控えめです。
会話欲がないクラスというより、
各々の事情に向き合った結果、会話が少ないという様子に私には見えました。
もしそうなら、本当に偉いなあと思います。


机に突っ伏したり、疲れで頭をぐらぐらとさせながら、それぞれが休憩しながらも
孤軍奮闘にはさせず、いっしょに進めていけるのは集団のいいところだと思います。

2020年10月12日月曜日

200926/201010 小論クラス

こんにちは、ピノコです。




この度、小論文クラスが2クラスとなりました。第2土曜日と第4土曜日に分かれ、今までより人数が少ない分、生徒さんの得手不得手に対応した指導を行えるようになりました。

今回が初回の小論文クラスの様子をご紹介したいと思います。

しばしの間、お付き合いください!


授業内容

1)書写

2)接続詞のプリント

3)小論文のお題の文章を音読

4)お題の文章の要約(200〜400字程度で)

5)生徒さんそれぞれの要約を読んで、みんなで意見交換

6)この文章の主張に対する自身の意見を述べる(200字程度)


授業風景

今回の授業では、以前までのクラスと違い、意見交換をして自身の考えをみんなと共有するという作業を行いました。

今回のお題の文章はツッコミどころの多い文章で、生徒さんたちは筆者に対して個人的な不満を漏らしつつ意見交換をしていました。面白いもので、一通り不満を出し切るとこの文章の核心をつくような意見が出てきたり、文章の解釈を生徒さん同士で議論したりと建設的なものになっていきました。

個人的な感想は文章を読めば必ず心の中に出てきてしまうものなので、そうした感想が出てくるのは、至極当然だと思います。しかし、その感想に囚われてしまっては小論文とは言えないものになってしまうこともあります。お互いに文章について話す場はそうした感想のガス抜きの場という一面もあるのかもしれません。



201010

授業内容:

1)書写:朝活書写を使って

2)サイコロトーク

サイコロ面のそれぞれ書いてある質問に対して最初に決めた接続詞を使って答えます。今回は、『なぜなら』でした。

3)小論文を書く:テーマは「地球温暖化と異常気象の関係が解明された」→でした。

(参考:「異常気象の原因が見つかった 難題との闘いに光明」(日本経済新聞20/10/10)

今回は小論の課題文を4のパートに分けてそれぞれ読んでは要約するという形で行いました。

 ・文章を読みながら、接続詞を入れる

 ・読んだ箇所を1行要約

これを4つのパートでそれぞれ行なった後

 ・200字程度で、『この文章の感想』『自分が地球温暖化に対してどのように対応するか』を書く


授業風景:

文章を読んでそれに対する感想や意見が出てくるタイプの生徒さんとあまり感想が出てこない生徒さんがいます。小論クラスが2つに分かれるにあたって、このクラスは文章を読んだ際に、何を書いていいのか案が出てこないタイプの生徒さんが多いクラスになりました。ですが、今回のように丁寧に読んだり、生徒さん同士で話し合うことで意見や感想も出てきやすくなるようでした。また、感想に対して『どうして、そう思ったの』『そう思うのなら、今後どうしていきたい』と先生に質問を投げかけられると、意見が出てきやすいようです。

意見や感想がないわけではなく、どうやって意見や感想に意識を向ければいいのかが苦手なだけなのかもしれないと思う授業でした。

それでは、ピノコでした。

2020年10月4日日曜日

200924/0930 水曜中3クラス

 


こんにちは、ピノコです。

今回は中学3年生のクラスをご紹介したいと思います

しばしの間、お付き合い下さい!


授業内容

1)筆記体

2)フォニックスビンゴ(soft gとhard g)

3)質問特集!(1分間に2文でどれだけ多く答えられるかを競う)

4)AGO

5)文法

今回はto 不定詞と使役でした

6)Let's Read!

 ・英語を読んで、他の人が訳す

 ・クスッと笑えるオチのある小話を読んでいるので、最後のオチを和訳する

 ・ハリボーで文中に出てきた単語の音の確認


授業風景


(0924)人数が少ない時の質問特集では1分間にどれだけ多く答えることができるのかを競うのではなく、正しく答えることのできた数を競うこともあります。

早くたくさん答えることが得意な生徒さんもいれば、ゆっくり落ち着いてやれば正確に答えることのできる生徒さんもいます。なかには、ゆっくりやれば用意している質問全てに答えることのできる生徒さんもいます。

生徒さんたちは、『聞き返す時ってなんていうの?』『わからない時は?』と会話の中で使える一言をいろいろと聞いて覚えようとしています。反射的に答える質問特集も大事なことですが、こうして会話の表現が増えていくこともきっと、英検の面接などにも役立つはずです!


(0930)もじこ塾の文法のテーマは大抵、選んだ文章中に出てくる文にちなんだものです。例えば今回の文法事項は『I will buy a heater to make me warm.』という文がLet's Read!で使う文章に出てきていたので、to 不定詞と使役を扱いました。

『副詞的用法のto〜は〜のためにって訳すんだよ』と文法の説明を受けた後、1人1文ずつ訳したり穴埋め問題をしました。

『ために』と訳すことを頭では分かっていても、読むことに気をとられていたり意味がわからない単語があったりするとそちらに気をとられて『ために』と訳すことを忘れてしまうこともしばしばです。それに、日本語では『ために』を先に言いますが、英語だと後ろの方にあることも多いので、頭の中でだけで操作するのは大変ですよね。

ただ、大変であっても何度間違えても居残りをしてでもできるようになろうとするのは流石!の一言です。

それでは!ピノコでした!!