2020年3月13日金曜日

200226 ハリボーチャレンジの方法(1)by伏見さん (動画付き)

ハリボーチャレンジについて,伏見さんに書くようお願いしたところ,力作を書いてくれました: 




皆さんこんにちは。伏見です。
今日はハリボーとポイフルを使った少人数での学習の様子をお伝えします。

(なんと、生徒がハリボーチャレンジの様子を撮影してくれました!
取り急ぎ,貼ってみます)

まず一つ目はフィギュアなどの小物を用いて、ハリボーとポイフルで単語の音の確認を行うものです。
ハリボーチャレンジは、英単語が音素から出来ていることを知るための練習です。
文字抜きで考えてもらいたいので、単語を文字で表す代わりに、フィギュアを使います。

初めて知る単語で行ってはいけないらしいので、中1の1学期に登場する程度の単語は知っている必要があります。


例えば、“旗”と“カエル”と“犬”のフィギュアを並べたとします。これらを英語で発音した時、1つだけ仲間外れがあります。

※「最初以外、おしりの方のオトを聞いて、仲間2つと仲間外れ1つを選べるかな?」
という言い方を、今はしています。
韻を踏んでいる単語を選んでもらいます。




旗「flag」、カエル「frog」、犬「dog」。
これらをフォニックスの要領で細かく分けて発音すると、“旗”だけ後半の音が「アグ」と言う感じになっており、“カエル”と“犬”は「オグ」と言う感じの音になっていることがわかります。
この場合、旗「flag」が仲間外れになります。


 単語の綴りを見せられればおおよそ正確に答えられそうですが、フィギュアだけを見てこれを行うとなると、自分の中のフォニックス的正しい発音の知識と、違いに気がつくセンスが必要となります
「違いに気がつくセンス」!これが音韻認識のことです

今回のこの学習は初めてだという生徒さんもいらっしゃいましたが、やはり苦戦していました。
何度か口で音を鳴らして「これかな?」と間違えながら頭を回していました。
慣れるまでは大変だと思いますが、確実にフォニックス的正しい発音のセンスが養われるので頑張ってほしいです。

 そして、フィギュアの中でどれが仲間外れの単語か分かった後は、ハリボーとポイフルでその音を再現します。

これがハッキリ音節がわかるような単語だと再現しやすいです。

しかし、「音としては2音節あるのに、子音と母音が妙にくっついて1音節にしか聴こえない」ということが頻繁にあります。
ar、orは「rつきの母音」として1つのオト(音素)として英語ではカウントします。が、やはりこれは強引な説明なので、慣れないうちは生徒はとても苦労します。
また、CV(子音+母音)を2つのオト(音素)に分解するのも、日本語ととても違う部分なので、最初は苦労が大きいです。「"dog"は『ド』と『グ』の2つの音から出来ているのではないの?」と。


また、母音はポイフル、子音をハリボーにして単語の音を並べていますが、「子音ハリボーが抜けている」「実はこの子音とこの子音、発音が一緒だから色も同じにしなければいけない」などと数々のトラップがあります。
フォニックスを使って単語の音の構造を一生懸命に考えるので疲れるのですが、生徒さん達は苦悶の声を上げながら打ち込んでいました。

ハリボーを正しく並べられたら、一つひとつのハリボーに対応する文字を書いてもらいます。
表音文字のなんたるかが腑に落ちる瞬間です。

伏見さんが指摘する重要なポイントは「ハリボーチャレンジにはフォニックスの知識が不可欠」ということ。
おそらく、ネイティブ感覚ではわからない部分だろうと思います。
英語にはどのようなオト(音素)があるかを明確に定義してもらってはじめて、
/dog/をd・o・gに分解できるのです。