2020年3月17日火曜日

ハリボーチャレンジ(2)(音素を操作する練習)by伏見さん

ハリボーを使った演習には、ある単語を言い、それに含まれる音素を1つずつ変えることで別の単語にしていくというものがあります。
たとえば

snack→sank→sand→sound→south→mouth→math→match→mad→dam→dime





・・・と変えていきます。

このとき、生徒はハリボーを並べて記憶の助けにすることはできますが、文字を使うことは禁止です。


この演習では、音素を操作する力(音素を頭のなかにとどめ、削除したり、追加したり、入れ替えたりする力)が要求されます。
これが苦手な生徒は、英語だけに極端にディスレクシアが出る傾向があります。

この演習では、字を書くのがキライなはずのもじこ塾の生徒が「字がほしい~!字を書かせてくれ~!」と叫びます。そこを制止して「オトで考えるんだよ!」と命じます。
文字の存在意義が腑に落ちる演習かもしれません。

これについても、伏見さんが書いてくれました。前回の続きです:

☆  ☆  ☆


・・・しかしながら1番難しいのが、二つ目です。
この学習もハリボーとポイフルを使って発音を並べるものですが、こちらは格段に頭が疲れます。

まずハリボーとポイフルを言われた単語の通りに並べます。

例えばそれが『start』だったとしましょう。

次に「後ろの”t“を外して」と言われたら、ハリボーの子音を外したりしつつ、頭の中で「start」から後ろの「t」を取って『star』にします。
次に「”ar“を”and“に換えて」と言われれば、指示通り『stand』にします。

この様な調子で母音や子音を外したり変えたり、また前後で交換してみたりしていきます。
最後まで間違わずに頭の中で入れ替えを出来るか、というゲームですが、これは絶対にフォニックスを分かっていないと出来ない学習です
そしてその上頭の中だけで考え、覚えておく問題ですから、普通に英語が出来る人でも難しいと感じると思います。生徒さん達も目に見えて疲労していきました。



 私は日頃からフォニックスが英語学習に大変有効だと身に染みて感じています。
本日のフォニックス学習は本当に疲れたと思いますが、絶対に生徒さん達の学習を手助けしてくれる筈です。

 私はフォニックスを知るまで、単語を頭に思い浮かべる、ましてや覚えて書くなんてほとんど出来ませんでした。
英語を覚える事はとんでもなく重労働でしたし、出来たとしても割りに合わなかったので、その先の英語学習の事を想うと、どうしようもなく絶望的な気分になってただただ悲観していました。

中学校一年生の段階でフォニックスをしっかり分かりやすく教えてもらえていたら何と良かったか。

 最近ではフォニックスのお陰で、音を聞いただけでボンヤリとその単語の綴りの影が頭に浮かんでくる様になりました。
まだまだ精度も低いので、”ちょっと英語のカンが良くなった“程度の話なのですが、私としては大きな進歩です。何の指標も見出せず途方に暮れていた頃とは雲泥の差です。

 生徒さんも私も、積み重ねしかないのでしょう。
しかし積み重ねた物を実感できるというだけで感覚は変わってくると思います。
頑張ってね


※なお、このアクティビティは生徒が知っている単語で行うべきだそうなので、初級すぎる段階ではできません。