2018年11月20日火曜日

181119 国立⑤(中1)クラス(ハリボーチャレンジその4)

ひさしぶりに全員そろって、授業を行いました。

(1)筆記体
4月から書いている生徒もいる一方,先日入塾したばかりで,始めたての生徒もいます。

最初は字未満,動きから。これが意外と難しい

筆記体には、字形が整う、精神統一、気持ちが英語モードに入る、
さらには、単語のスペルが覚えられる、数学など他教科の記号が読めるようになる、などさまざまな効果がありますが
なかでも「書けるようになると、読めるようになる」という効果が大きいと感じています。


黙々と書く


使っている筆記体の本は,ディスレクシア専用に開発されたもので,
単純な字形から複雑な字形に配列されており,
練習する単語もフォニックス読みできるものが中心で,
「目をつぶって書く」など,普通とはちょっと違う練習も入っており,
日本で手に入るものとは一線を画しています。

#煽ってすみません。これを訳したくていま一歩を踏み出したところです。。


(2)フォニックスビンゴ
本日のテーマは-ay,-oy,-y。
なかなか難しかったですが,慣れたらだいぶ読めるようになりました。

どのクラスもそうですが,人の間違いを笑うような生徒はもじこ塾にはいません。
みんな苦労しながらデコーディングする一方,ビンゴ的にはルールのきわをねらうのが大好きなディスレクシアらしく(笑)それぞれに戦略を立てています。

最近,フォニックスの長期的な復習があとあと効果を表す事例に直面し,フォニックスのオーバーラーニング(しつこいほどの反復練習)の重要性を再確認したところです。
最初はできなくても全然かまいません。この部分が本当に必要なのでもじこ塾に来ているのですから・・・

フォニックスビンゴ


(3) QA 100
Are you ...? / Do you ... ? / Can you ...? / Where do you ...?などの質問に,1文で答えます。
だいぶ慣れてきて,1分間で30問近く答える生徒も!

(4) AGO(英語のUNO)
 (3)の順位に応じて,手札の数が決まります。
英語で会話する(「Sorry ~」「You are very dangerous」など),
さまざまな疑問文への答え方に慣れる,
そして緊張をほぐす,アイスブレーカー的な意味合いがあります。


(5)ハリボーチャレンジ


ハリボーチャレンジPart 1

〈Part 1〉
①最初以外の音に共通点があるものを選ぶ。
(frog / dog,shoe / twoなど)
②選んだペアについて,ハリボーを並べてオトを表現してもらう。
③並べたハリボーを使って音韻の操作。frog→fog,tree→tee,tree→treatなど。

〈Part 2〉
生徒からの「あれがやりたい」との要望に応え、頭のなかで音韻を操作するゲームを行いました。


1) 最初に講師が「man」と言い,生徒はハリボーを並べる(セグメンティングの練習)
2)「最後のオトをpに」「最初のオトをnに」「最初と最後をひっくり返して」と指示を与えていき,生徒はハリボーを見つめながら頭の中で音韻を操作する
3)最後まで操作したら(または,脱落しそうな生徒がちらほら出てきたら)「一回ここで言ってみようか,せーの」で単語を全員で言ってもらう。
4)正解を言えた生徒はほめる。間違った生徒には,こんどは頭のなかではなく,1回の操作ごとに単語を言ってもらう。

Part 2はクイズ感覚なので盛り上がる一方,音韻認識の弱さが顕著に出るゲームでもあります。かなり聡明な生徒でも,オトのワーキングメモリが極端に低いことが露呈したり・・・

〈Part 3〉
抑揚の練習。詳しくはまたの機会に・・・

予想通り,オトが苦手でも,抑揚は難なく理解できる生徒がいました。
一方,オトは演算能力でこなし,抑揚が理解できない生徒もいます。

終了後,感想を言ってもらいました:
学校の先生の英語がALTに通じていないのはなぜだろうと思っていたけど,抑揚がないからだとわかった」Σ(゚Д゚)
オトが1つ変わるだけで違う単語になるのがわかって面白かった」(←表音文字のなんたるかが理解された瞬間)
日本語よりも英語のほうが,オトの単位が細かいことがわかった」

・・・実にすばらしい気づきです。

今日はハリボーチャレンジを重点的に行い,不規則動詞や文法まで手が回りませんでした。そのくらいこの練習は疲れますし,ディスレクシア的な困難の中核に迫っていることが生徒にも実感されるようです。