国立教室の⑤(中1)クラスは,清らかな雰囲気と生徒同士の仲の良さ,そして中3や助手などいろんな年代のディスレクシアの存在を感じられる点で,他にない特徴をもったクラスです・・・もしディスレクシアだけの学校を作ったら,こういう雰囲気になるのかなと思ったりします。
①筆記体(10分)
※和気あいあいと,あるいは静かに,筆記体を読んで書く時間。
筆記体のもたらす効果は,はかりしれません。
②フォニックスビンゴ
※本日のテーマはph。「ギリシャ語由来の単語はphと書いて「f」と読むよ」と教えました。これとpl,prなどが含まれる単語をとりまぜました。
ビンゴは文脈なしで初見で単語を読む練習。フォニックスは分かっていても,ブレンディング(音をつなげて単語として読むこと)に定型の10倍くらいの反復練習が必要なディスレクシアにとって,不可欠の訓練です。
1回戦:3分30秒,2回戦:同じ紙で2列先取,3回戦:9つの単語を選んで書き,2列先取
③QA 100
※1分間で,いくつの質問に答えられるかを競います。
Do you ...と来たらYes, I do / No, I don't. Are you ...ならYes, I am. / No, I'm not.
Can you ならYes, I can. / No, I can't. またWhereやWhatにはそれぞれの答え方がありますね。
処理速度とワーキングメモリが鍛えられます。
④AGO(ウノ)
※オールイングリッシュの時間。
これも単に遊んでいるようですが,ここで脳が遊びモードに入ることで,このあとの文法で負荷をかけやすくなると感じています。
⑤休憩(4分間)
※助手の紺さんがお菓子とお茶を出してくれて,休憩。
新しい生徒や振替の生徒さんがいるときは,ここで英語で自己紹介を行います。
⑥文法
※いまは,三単現を教えています。
例文のカードを見せます(最初のうちは読んであげます)
サイコロを振ってもらい,出た目(主語)に従い,例文を活用してもらいます。
1分以上の任意の時間に,アラームをセットしておきます。
鳴った瞬間に話していた人には,カード3枚分の例文を言ってもらいます。
このように時間制限をつけると,とてもヒートアップします(笑)。
⑦不規則動詞活用
※かなりの先取りで取り組んでいます。
本日は,かるたのほか,七並べもどきで10個ほどの不規則動詞活用で遊んでもらいました。
ディスレクシアは単語の丸暗記が最も苦手なので、暗記のプロセスをサポートすることが重要だと思います。
「覚えてきなさい、授業中にテストするから」ではなく「一緒に覚えよう、学校のテストができるように」という姿勢です。
⑧BBカードで神経衰弱
※札がとれたら、字札のいくつかの単語のうち、フォニックス読みできる単語をこちらが指して、読んでもらいました。
このあとラストスパートをかけるので、脳を遊びでリフレッシュする意味合いもあります。
⑨人称代名詞の表を埋める
※ここ1ヶ月ほど、毎回やっている課題。
最初は数週間,⑥のようなゲームをして、定着をはかります。
その後このように、穴埋めの表に記入する課題にチャレンジします。
まず言えるように、それから読めるように、最後に書けるように・・・という順番です。
今日は初めて1分間のタイムトライアルにしました。
穴埋め表という形式は、ご自身もディスレクシアというお母様から「自分が中学生のときこうしてほしかった」と教えてもらった課題のひとつです。
⑩ディクテーション
※今日扱った文法項目やビンゴのなかから、5~10題選んでディクテーション(講師が言ったフレーズを書いてもらう)。30秒や1分の制限時間を設けてゲーム性を高めています。
ディスレクシアだと,この「音を文字にする」という作業にすごく苦労するのですが、「できるようになりたい!」という念が最も切実に感じられる課題。
⑪文法問題/自由英作文
最後は紙に書く課題。
⑥の復習になるよう、10題ほどの文法問題を作問しています。
⑥の復習になるよう、10題ほどの文法問題を作問しています。
さらには,文法問題と似た内容の文を1文作って書いてもらい、発表してもらいます。
本日のテーマはI から始まる肯定文と、対になる内容の否定文。
生徒は、I like cute cats / I don't like barking dogsといった文を発表してくれました。
生徒は、I like cute cats / I don't like barking dogsといった文を発表してくれました。
紺さんより:
国立教室でQA-100を行うのは初めてでしたね。
QA-100は「反射神経が勝つ!」な光景に見えるためか
え〜できないよ〜、とこぼす、中1生徒さんもいました。^^
個人的には、素直に弱音を言える空間を、このまま大事にしたいと思います。
苦手なことは、自然と力みやすいものです。
ディスレクシアにとって英語は、とりわけ難しい言語らしいです。
なので、脱力の大事さみたいなものも味わって欲しいなーとか思ってます。
授業以外の生徒との会話とか、授業で一緒に勉強する雰囲気とかで、
伝わってたらいいなあ…。
もじこさんとは違う角度から、もじこさんと同じことを応援しています。