ゴウさんより:
4月から予備校に通い始めたが、一瞬で辞めてしまった。原因は授業がわかりにくいこと。予備校選びの際にどれだけ我慢と妥協をすればよいのかがわからなかった。
講師が合わないと感じつつ勉強のモチベーションを保つことは非常に困難だった。
簡単な筆記体の練習にさえ手を付けられないほど意欲が低下していた。
もじこ塾では受動態について学び始めた頃。受動態は今のところ一番難しい範囲で、課題をこなすのがとても辛く、プリント1枚を終わらせるのに1時間以上かかっていた。涙がちょちょぎれそうになった。
受動態を終えると、他の範囲が易しくなったように感じられる。
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いっとき,スタミナがかなり低下したゴウさん。
数週間後に振り返って「あの頃は鬱の入り口でした」と言っていました。
その後,予備校を変え,いまはちょっと落ち着いたようなので,よかったです。
集団指導の予備校では,21世紀になっても昭和的な授業スタイル※をとっているところがまだ残っているようです。
そして,発達特性持ちには,そのスタイル自体が耐えがたいようです。
※昭和的な授業スタイルとは:
・「俺のやり方に従えば必ず合格する。これまでも何人もそうやって合格させてきた」と豪語し,ノートの取り方,下線を引く場所,マーカーの色などを事細かに指示。守らないと怒る
・授業を聞く姿勢にうるさい。飲食はもちろん禁止,手は机の上に必ず出せと言う,頬杖をついたり髪の毛を触ったりは禁止など。守らないと怒る(こういう講師はたいてい,昔は生徒を殴ってました)
・「こんなことも覚えられないやつは(田舎に帰れ/受験勉強をやめろetc.)」と恫喝する
精神的にこれだけ締めあげておきながら,授業そのものは分かりにくいようで・・・
・1つの解法や考え方を強制し,他を認めない
・プリントが読みにくい:情報量が多すぎる,コピーを繰り返したり,切り貼りで作られており,文字がにじんで読みにくい
たしかに,受験勉強というのは無理をするものなのですが,上はどれも,しなくてもいい種類の無理です。
ディスレクシア的には,学び方のスタイルについて上から押さえつけられるのは,耐えがたいことです。
自分にあった学び方のスタイルを試行錯誤する必要があり,そのことを認めてもらえてはじめて(読字訓練や暗記という)無理ができます。→こちらは,勉強したいなら,するしかない種類の無理です。
たしかに,ディスレクシア的には,するしかない種類の無理と,しなくていい種類の無理の区別が,時々つかなくなるのかもしれませんね…。
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受動態は,ディスレクシア的には本当に苦労するポイントです。おそらく,「鳥がへびを食べた」も「へびが鳥に食べられた」も,絵としては同じだからだろうと思います。
ゴウさんは目下,国語で長く縦に読めないことに苦労しています。1行が長くなると,縦に読み続けるのも,下から上に目をすばやく動かすのもつらいようです。