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時雨くんより:
5月はじめには記述模試、マーク模試がそれぞれ1つずつありました。
英語では途中で急に文が読めなくなり試験時間内に休憩を入れることも今後考えていかなければなりそうです。
その一方でもとから重視して解く予定だった出題形式は得点につながっていたのでその部分の精度が直近の課題になりそうです。
他の教科では問題文に下線を引かずに読んでいたところ「適切でないもの」や「rはaの何倍か」などを誤解して解答してしまい無駄な失点になってしまいました。
以前はやっていた重要部分には線を引きながら問題文を読むことはやめてはならなかったようです。
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「急に文が読めなくなる」は,模試の前日に解く練習をしていたときにも起こりました。
上の文(センター3[A])では,superstitiousをsuperstitions(→1文字だけ違います)と読み間違ったために,そのあとの構文も取り違えたのですが,
それを指摘するためにこちらが読み上げてみせても,もはや文字も音も意味にならないようでした(TT)
それまで35分ほどは,わりと順調に読んで正解していたのですが…
模試(とその練習)は黙読ですが,それ以外では時雨くんとは,音読の練習を行っています。
ディスレクシア的,音読練習のポイントをまとめてみます:
1) 読む目的を明確にする。この場合は一定量を読破する練習。
ディスレクシア的には,目的を明確化することで、はじめて読むことができる。
(目的に応じて読み方や読む範囲を変える。上の設問の場合、下から4行目のBelieving以下と選択肢しか読まない。)
2) タイムを記録する。
どのくらい読み続けることができるかは,読み能力を示す重要な指標のひとつ。
3) 最初のうちは伴走し、だんだん一人で読んでもらう。
ディスレクシア的には,出だしの数文~数パラグラフは調子が出ないことが多い。そこで最初のうちは教師と1文ずつ交互に読むなどし、調子が出てきたら,少しずつ自力で読む割合を増やしていく。
教師はさりげなく助け船を出す。(音節の切れ目を教える、フォニックスで読めない単語は読んであげる、など)
4) 構文や文法の知識がつくと,読字能力は向上する。
構文の知識があると,次にどんな品詞が来るかある程度予想できるため,読字の助けになる。
5)意味理解をおろそかにしない。
ただ単にデコーディング(字をつなげて音にする)のではなく、意味理解もある程度要求すべき。難しい箇所はさらっと助け船を出し,あとで詳しく解説する。
6)音読練習をするときは,読むことに労力を集中させるべき。
知らない単語は,文中での意味を教える。辞書は引かせない。
読み間違いはさらっと直しつつ、間違い方をよく観察する。読み間違えた単語を記録しておき、傾向分析するのもよい(上の場合、「uとnが反転してるね」など)
7) 休む勇気をもつ。
限界が来そうと思ったら、その手前で少し休むべき。そのタイミングは自分で判断できるのが理想だが,判断できないときは,教師のほうから休むように言ったほうがよい。
無理しすぎると,身体症状が出ます(時雨くんの場合は頭痛が出たり体が熱くなったり冷えたりするようですが,そのほか,その場で数十分~1時間ほど寝てしまう,目が非常に疲れる,などの症状として出る生徒もいます)
8) その都度,振り返りを行う。
教師は良かった点,改善できる点を指摘する。本人も言語化できればなおよい。
9)読み方の戦略は,自分で編み出すべきもの。
どうしたら読みやすくなるかは,一人ひとり違う。教師は「こうしたらどう?」という指摘や提案を行うものの、「自分はこうすると読みやすい」は、基本的には本人が試行錯誤してたどりつくべきもの。
(上で言うと,"線を引きながら読む"がそれにあたります)
10)この練習では,生徒は一度限界に達したほうが,長い目で見るとのびる(限界に達してへろへろになる姿は、見ていていたたまれないですが・・・)。
信頼関係を築き,限界に挑戦できる環境を作るべき。
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「3時間数学をやるよりも,30分英語を読むほうがキツい」と語る時雨くん。
ついに来た,読字能力の限界に達した様子は,傍で見ていてつらいものでした・・・
でも,ここまで訓練を続けて,1年前の何倍も読めるようになりました。
あと9カ月でどこまでいけるか,訓練は続きます。