2019年5月13日月曜日

190509 木曜中2クラス(ゲーミフィケーション[ゲーム化]について)

毎回、ものすごくヒートアップするこのクラスに、
若い研究者であり、所属大学のインクルーシブ教育支援室の運営にもたずさわっておられる方が見学にお越しになりました。
その方のご感想を転載いたします。ありがとうございます



[...] 生徒さんたちはカオスな状態とおっしゃっていましたが、
初対面の私にルールやコツまで教えてくれて、とてもいい雰囲気のクラスだなと思いました。

カオス・・・は机の上だけでなく、自由に発言したりゲームがヒートアップすることも指します。
カオスのなか、ある生徒が見学者さんにビンゴやAGOのルールを説明していました。

成田先生がメールで「見学者が入っても動じることがない」とおっしゃっていた理由がわかりました。

 実際に授業に参加させていただき、いかに楽しく集中力を保ちながらゲーム感覚で英語と触れ合うか、
成田先生の授業の工夫を間近で拝見でき、とても勉強になりました。

生徒さんの方から「先生それは教えちゃだめだよ」という発言があったことも印象的でした。

最後の、英語の44音表のなかから今日出てきた単語の音の部分にグミを置く時間には、
生徒さんのほうから「この単語は何個の音で出来ているんだ?」と声があがり、皆さん考え方の枠組みがきっちり頭のなかにあって、その上で単語がどの音に分解できるかを考えられていたこともとても記憶に残りました。

[写真]

生徒さんが「疲れた」と言った時に成田先生が「ちょっと寝ていいよ」と言っていたことも、とても印象に残っております。
きっと、いわゆる受験対策を前面に掲げた塾ではこのような会話はないだろうな…と感じました。
先日の成田先生と生徒さんの会話を伺い、生徒さんのペースや集中力を尊重した授業をされているのだなと思い、私が塾講師として働いていた塾とは全く違う雰囲気を感じました。

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「ゲーミフィケーションの事例を目の当たりにしました」とご指摘を受けてはっと気付いたのですが、もじこ塾の中学生の部は、多くの学習活動がゲームの形をしています。
(ゲーミフィケーション[gamification:ゲーム化]とは、学習活動をゲームの形にすることを指します)

これは私が先導したというより、生徒の求めに応じていたらどんどんそうなったという側面が強いです。
というのも、講義を聞いてから淡々とプリントに取り組むなどという苦行は、もとより字が苦手な生徒にとっては無理な話です。。
純粋ディスレクシアというのは、ルールを決めてあげると、違反すれすれを狙って競争相手を出し抜く「戦略思考」が強い人種です。なので、戦略思考を刺激して読むことにチャレンジしてもらったり、
あるいは、衝動性の強い生徒は勝負事となるとものすごく燃えるので、その情熱を利用してまとまった文章を集中して読んでもらう、という感じです。

このクラスのメンバーがすごいのは、自分たちがゲームを通じてなら学習内容が定着しやすいことを自覚していて、「勉強するためのゲームなのだから、何がなんでも勝つのではなく、自分で考えなければならない部分が存在する」ということを理解している点です。
また、多動や衝動性の強い子が集まっているのですが、毎回誰かがブレーキ役に回るのも、たいへん偉いことです。

「寝ていいよ」の件について・・・字を読むのはとても大変なので、脳の充電が切れたと思ったら、自分で判断してちょっと休むのは非常に大事なことだと、もじこ塾では考えています。この件については続きます・・・