2022年11月5日土曜日

紺さんの高認受験日記(2)

こんにちは、紺です。
前回、国社英の過去問のことを書きましたが、今回は残りの教科の過去問を解いた結果と、自分の感覚や課題点、気づいたものを言語化してみました。自分の得意不得意科目も忘れているので、この結果を受けて社会と理科の受験科目を選んで決める意図もあってたくさん解きました。

数学
・ギブアップ
社会科
・世界史A/B =57/57
・日本史A/B =67/62
・地理A/B  =80/85
理科
・科学と人間生活 =45
・物理基礎 =10
・化学基礎 =40
・生物基礎 =65
・地学基礎 =45

数学
公式・定理をど忘れしてます。数学をやるのは数十年ぶりだし…まあここまでは想定内。
ですが、問題文の言っていることそのものを読解することができず、何もできなくなり手と頭が止まりました…。問題文や定義の文章の読解に難儀する傾向は、昔から自覚していたのですが…ここまでとは。もちろん、算数のころから読めない経験は何度もしてるんですけど、数学の問題文を異国の言葉のように感じたのは初めてだった

でもまあ数学の対策に関しては、ひたすら演習をこなすのみかなと思ってます。時間も量もかける。するとだんだんと問題文の意味がわかるようになるんですよ。学生時代も目的の単元が終わる頃やっと腑に落ちかけてきて、理解が深まったころはすでに別単元の最中…の繰り返しでした。人よりも理解に時間も労力もかかるのですが、時間をかければ理解できるようになるタイプの教科でした。覚えるよりも早い速度でどんどん忘れていってしまう気もするけれど、何もやらなければゼロなので……自分に言い聞かせてやるしかないかなと。
……実は前々から、自分の中のディスカリキュリア(算数障害)の可能性も疑っているんですけど少し真剣に捉えていい気もしました。想定よりも現状がひどかったなあ…。(数字が大きく関係する職種につかないことだけは、10代のうちから心に決めている)


【社会科目】
日本史・世界史。
実は消去法で解いたものが大半。歴史の勉強方法が今もわかりません。世界史はカタカナばっかりでほんと苦手だし、範囲も広そうだし。助手のテュールくんが世界史の本を貸してくれたので、過去問と参考書を行ったり来たりしようと思います。ありがとう〜!
日本史のテストだったか、問題文を見落とすというミスも犯しました(空白の減点)。これはもったいない…。でも私はこの手のケアレスミスがとても多いんですよねぇ…。文字情報を見落とすこと。視界に入ってても文字情報として認識しているかどうかは別問題、認識できたとして読めるかどうかは別問題。気をつけないといけないことが多い……。自戒として書いておきます。

地理
一番点数取れとるやないかい!www っていう。たしかに地理は昔から好きでしたが、好きなこと自体を忘れていた。自分らの時代ではマイナー教科だったような…(習ったのも中学生のときだけだし)。地理だけでテストできるのめちゃ嬉しいかも。自分の知識と、資料から情報を読み取って答えていく形式は現社と一緒ですね。自分には解きやすかったです。


【理科】
科学と人間生活
大きく8分野があって、4つを選択して解いていく形式。もちろん知識不足もありますが、分野の選択を見誤っていました。選ばなかった問題も解いているのですが、正答率がよいのは選ばなかった方だったり。今回気づけてよかったです。

物理基礎
公式も記号の意味もわからないままやりましたので、当然の結果。物理は授業を受けたことがそもそもないのと、私に理数の才能がないからだと思います。マーク形式だから10点も取れたんだと思う。ほんとに。

化学・地学・生物基礎
軒並み悪いですがこれも当然の結果です〜。化学は高一のころ、化学式をとくのが楽しい時期がありましたので、ちょっと解き方を思い出しながらやってみました。化学記号(すいへーりーべのあれ)は記憶から抜けています。
日本語の漢字の組み合わせや、カタカナの物質名は、そのまま化学記号を並べてたり、逆さに書いてる雰囲気あるので(二酸化炭素/CO2)、日本語から化学記号を推測・妄想したり問題文や前のページとかからヒントを探ったりして解きました。


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気づいたこと、自分に合う勉強法など。
私はドキュメント番組が好きです。今年の夏にみた「映像の世紀(NHK)」で、時系列にそって大きな流れを理解できたのをたまたま覚えていて、第二次世界大戦あたりの問題が迷いなく解けたりしました。私には映像の形をしているほうが固有名詞も時系列も出来事も、記憶によく残ることを過去問やって再確認。ドキュメントはナレーションもあるから余計にいいのかな…??映像のない時代の歴史の勉強法は別の方法を考えないといかん…。
大河ドラマだと、物語は面白くみるけど歴史的な情報が本当に頭に残ってないのに…この差はなんだろな??映像媒体であっても向き不向きが出ます。(あくまで私の場合)


やろうと思うこと。
ディスレクシア的には英語の手応えを獲得すること。
フォニックスのおかげで単語の音は読めることが増えたので、語彙を増やすとか、言い方(文法)を覚えるとか。文法の知識がほとんどなくて雰囲気で読んでいるので、雰囲気以外の確証みたいなものを得られるようになるなら得たいです。
数学はとにかく演習。
理科や歴史は、過去問で間違った部分の周辺を調べたり参考書読んだりすること。

私はいま教科書がないので(生徒が使わなくなったものを貸してもらえるかもしれません)、映像授業なものも使っていろいろ知ることも必要ですよね。
大人の学び直しは環境的にも独特な苦労が多そうですが、それも記録として書けたら面白いかなとか思ってます。

~~

「高認を受けます!」と授業内で発表したところ、かなり多くの生徒が家で話題にしたもよう。
生徒のみなさんのずっと上の先輩が勉強をがんばる姿・・・
思い立った日から少しずつでも、やり直しはきくということ。
毎日のちょっとずつの取り組みが、いずれ大きな違いを生むということ。
そんなことが伝わるといいなと思います。

2022年9月27日火曜日

紺さんの高認受験日記(1)「宣言!実は私、高認を受けようと思っております」

こんにちは。助手の紺です。

実は私、高認を受けようと思っております。

16歳で燃え尽きて心身壊して以降、自分の目標が「まずは健康回復・社会復帰をする」に切り替わってしまったわけですが。先日ふと(この目標は叶えたと言っていいかもなあ…)という実感のようなものが、しみじみ湧いてきました。少なくとも今はこれを維持するステージに移行したとは言えそうだなと。

ありがたいことに、いままであった大きな目標が無くなった。

ディスレクシアの「モチベーションで動く」という部分から見ると、今まであったハリがなくなった感じ。じゃあまた別の目標を立てようかと思ったとき、この記事の冒頭の考えになった、というわけです。高認の先には何もない暫定の目標です。自分の頭を一回アップデートしたいというのはあります。実はいままでも、心療内科の先生、趣味の友達や、ピノちゃんはじめ助手の子たち……いろんな人が自分に高認を勧めてくれたんですよね。ようやく挑戦する気持ちができた感じです。


…先日恐る恐るもじこさんに打ち明けてみたところ、ものすごく応援してくださって「ぜひそのレポートをブログで書いてよ!」とのことなので、月一くらいで記録を書いていこうと思っています。しかし、何をかけばよいのやら…???


++++

自分が受けるべき科目はまだわかりません。中退までに取得した単位が活かせるかどうかなどはこれから調べます。それはそれとして自分の実力を測りたくて、惨敗しなさそうな国語と現社、苦手だけど日々触れている英語の過去問をやってみました。

やってみた感想ですが、共通して文字量がとても多く3教科すべて時間ぎりぎりでした。省エネ読み(拾い読み・大事なポイントだけを読もうとする)をしててこれなので「読む」自体が自分には高いハードルなのかも。さっそく懐かしい洗礼を浴びた気持ち…。

採点したら、国語68点、英語71点、現社79点でした。

【国語】古文漢文をぜんぶ間違う。でも配点が高い。何の話か全然わかんなかったよ…。対照的に現文は漢字読みを一つ落としたのみ。現文は現役時からできた方だけど、年齢という自分の中の背景情報が後押ししてくれてる気もする。

【英語】もじこ塾で鍛えられた結果!ww 驚いた。ただ自信を持って答えていないところは多く、手探りしても感触がこない感じで常にふわふわしています。空所補充や並べ替えは苦手、内容一致を問うものはできているようでした。手探りをして、手応えを感じれるようにはなりたい。何度も何度も未知の単語に出会いましたが、フォニックスでなんとなく読んでみて、意味を想像(妄想)することはやりました。そのおかげかわかりませんが、古文漢文の時に味わった全部がわからない境地には飛ばされず、しがみつけた気がします。

【現社】グラフや読まないといけないものが多く、そこがとにかく大変…。きちんとした言葉のある、憲法の文とか、教科書に出てくる用語・名詞的なやつ全般がすごく苦手なのでそこは要復習…。音声から入れば誤読も減る気がしますが、文字から入ると正しく読めていないことが多いんですよね(これは教科書でもゲームや漫画のキャラクターの名前でも全てに共通することです)。またグラフや文章を踏まえて、成否を選ぶ問題も多かった。資料の読解力を見てる感じ?ここが無勉でも点数取れた要因だとは思います。


1日3教科やってみて、だいぶ頭が疲れました。自分の読書体力(?)の無さというか…読める間は読めるんだけど急速にスタミナを消費していく(???)部分はあるのかも。向き合わないといけないことが見えてきてよかったです。

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もじこ塾で助手を務めてくれている紺さんが、高認を目指すことになりました!
彼女は16歳で、今ならディスレクシアの二次障害とわかるものを、別の精神疾患に誤診され、合わない薬を処方され、それからは本当に大変な日々を過ごしたものの、ディスレクシアと気づいてから少しずつ社会復帰してここまで来ました・・・その新たな一歩としての高認挑戦です。
誤診からここまでの道も、ぼちぼち書いてくれることでしょう。
ほんとにまぶしい!みなさん応援よろしくお願いします!

2022年7月18日月曜日

220607 コタくん(「せめてもじこ塾に来ている生徒には、多面的に物事を見てほしい」)

全6回の小学生向けフォニックス講座(教育実習)を無事に終えたコタくん。この講座が始まる直前に、文章を書いてくれていました。遅ればせながらご紹介します:


今日は、最近様々な授業を見ているのと、大学の授業を聞いていて感じたことを書こうと思う。

最近大学の授業で、なぜ学校に一見不思議に見える校則があるのかということを考えた。例えば、髪型や制服、靴下の色など、(別になんでも良いと思うのだが)そのような校則が沢山あるようだ。

私は、中高時代ほとんど、そのような校則は無かったため、あまり感じたことはなかったが、大学の授業では結構多くの人がそのような、別になくても良い校則を体験しているようだった。

大学の授業では、なぜそのようなものがあるのか、ということの根源には経済格差を見せないようにしていじめなどの問題に繋げないようにしているのだという。制服があったり、髪型を統一したりすることで経済格差が見えにくくなって平等が保たれるというのだ。
そして、偏差値が比較的高い学校で制服などがないのは、そのような学校は比較的、経済的に裕福であったり、差が少なかったりするからなのだということで、大学の授業は終わった。

しかし、私はそれが本当に本質的な問題なのかということに違和感を覚えた。私は、中高と国立の学校に(もちろん、ある程度の試験を突破して)入学していたわけだが、様々な成績や境遇の子がいたし、それほど自分は意識したことはなかったが、様々な経済状況の子がいたと思う。しかし、別にそれによるいじめなどは無かったと思うし、平和に暮らしていたと思う。また、小学校のときもうちの周りは、お金持ちとそうではない中流家庭が混在していたが、今でも仲良く遊んでいるしたまに会うこともある。

そこで、私は経済格差や様々な格差を気にするのかどうかには、親や学校の先生などの影響がとても大きくあるのではないかと感じている。

もじこ塾で授業を見ていても、いわゆる進学校に通っている子は成績がどうとか偏差値がどうとか、いい大学がどうとか、そのような話をしていたりする。

それが良いか悪いかということを私は言いたいわけではない。ただ、お金持ちかどうか、偏差値が高いかどうかなどの、一面的な評価基準でしか、自分や人を評価できないことがとても問題なのではないかと感じる。


おもしろい話だと思った話がある。(確か尾木ママこと尾木直樹さんが話していたと思うが)
道で工事をしている人を見て子どもが何をしているのかと親に聞いた時に、どう答えるのかという話で、ある親は、工事をしているような人にはなってはいけないと言う。しかし、ある親は、あの工事の人のおかげで、あなたは水を飲めたり、ご飯を食べたりできるのだと伝える。

私はこの話を聞いて、学歴や経済状況などの一面的なものの見方を親や保護者がすることによって、そのような価値観が固まって来てしまうのだなと感じた。

だから、せめてもじこ塾に来ている子達には、せっかく自分と同じような特性や苦手を持っている子が集まっているのだから、一面的な考え方ではなく、様々な多面的な考えを持って考えられるようになって欲しいと思う。
物事を一面からしか見れないことによって結局、ストレスが溜まり精神的な病気になってしまったり、疲れてしまったりするのは本人なのだから、多面的に自分も相手も評価できる人になってほしい。

2022年5月16日月曜日

英文法総復習(1)

文法の反復用です。 選択肢をドラッグ&ドロップして空所に入れてから、一番下のSubmit Answersをクリックすると、採点されます。

2022年4月21日木曜日

4月3週 中学生クラス 英検3級ライティング入門(1)(Which do you like better?)

生徒の要望に応え、月1回、英検のライティングに取り組んでいます。

実はもじこはライティング本の著作がたくさんあるのです(笑)。

そのノウハウを生かして、ディスレクシア的に点の残りやすいライティングを追求することにしました。


中2クラスのお題より:

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ライティングの鉄則は、①まずお題に答える → ②具体的に。(1)説明 (2)例 (3)理由

という順番で書くこと。そのことを確認しながら、1つお題を書いてみましょう。

例文を見て下さい。

◆例題
Which do you like better, bread or rice? (パンとごはん、どちらが好きですか)


◆解答例
I like bread better than rice. I like jam and butter very much, so I like bread. Also, I like tea and coffee, so I like bread.  (27)
(私はパンがごはんよりも好きです。私はジャムとバターが大好きなので、パンが好きです。また、紅茶とコーヒーが好きなので、パンが好きです)


▪繰り返しが多いですね? ものすごく単純なことしか言っていませんね? 

でもこれが英語らしいし、他人が読んで意味がわかるし、点数の残る書き方です。

まずは、この型に入れて文章を書けるようになりましょう。

・お題に答えましょう。「どちらのほうが好きですか」と聞いているのですから、「どちらも好き(嫌い)」「パスタが好き」は×です。このお題でライティング的に許される答えは「パンのほうが好き」か「ごはんのほうが好き」だけです。

▪お題の表現(ここではI like …)は繰り返しましょう。そのほうが英語らしいです。

▪面白いことを言う必要はありません。他人と違うことを言う必要もありません。(「大喜利ではないんですね」との感想あり。その通りです!)

   幼稚園児にわかるように書きましょう。そのほうがいい文になります。

▪できるだけ、フォニックスで書ける単語を使いましょう。スペルに自信がないなら、その単語を使うのはやめましょう。ディスレクシア的にはsoy sauce(醤油)とかmarmalade(マーマレード)ではなく、eggやjamを使うべきです。

▪後ろ向きな内容は英語らしくないので、やめましょう。「ごはんが嫌いだからパンが好き」という理由は、英語的には×です。

※「パンに関係する何かが好き、だからパンが好き」という論法は英検的にも、英語的にもOKです。

※Also, は「また」という意味で、ここでは2つめの理由を始めるために使われています。英検的にはこの単語に点数が乗っています(構成点)。この単語があれば「2つめの理由があるんだな。構成がしっかりしているな」と判断してもらえます。大文字で始めて、直後にコンマを打ちます。

likeはスペルミスしにくい単語です。I like ...に続けて、文を作ってみましょう。


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問題:例題にならって、25~35語で書きましょう。

Which do you like better, the sea or the mountains?

(海と山、どちらのほうが好きですか)


生徒解答

(1)I like the sea better than the mountains. I like fish very much, so I like the sea. Also, I like swimming very much, so I like the sea. (29)

・いいですね。I like swimではなく、I like swimmingが正解です。


(2)I like the sea better than the mountains. I like dolphins very much. They are very cute and smart. Also, I like fishing very much. (25)

・fishは「魚」、fishingは「釣りすること」です。


(3)I like the mountains better than the mountains. I like trees and forests, so I like the mountains. Also, I like camping, so I like the mountains.(27)

・woodは「木材」、woodsで「林」です。これは難しいので、フォニックスワードでもあるforestsを使いましょう。

・seaとmountainsにはtheを付けましょう。「山というもの」「海というもの」全体を指すときはthe mountains、the seaと言います。これはとても難しいポイントですが、お題の文をまねしましょう。

・単語の間のスペースをあけましょう。指一本分の半分の幅のスペースがあくのが理想です。

2022年4月14日木曜日

220414 中1クラス(1)(小学生にフォニックスを教えることには底知れない効果が)

 もじこ塾の中1クラスの授業内容を紹介します!

1 クラスルールの説明

(1)教室内では電子機器使用禁止。スマホは禁止です。楽しく交流しましょう。

(2) 廊下では静かに。

(3) 人の間違いを笑わない。

(4) 人が話しているときはちゃんと聞く。先生が話しているときも、ほかの生徒が話しているときも。 

とってもやる気に満ちた、5人でスタートです。


2  筆記体

3 フォニックス表の確認 (s~oo)

4 フォニックスビンゴ (long a、ay)

語末の「ay」はlong aになります。




5 質問特集 (1分、1文で答える)

6 AGO もじこ塾恒例、英会話の練習ができるUNO。より一層会話の練習になるよう、アレンジを加えています。純粋ディスレクシアは戦略的なので、非常に盛り上がります。

7 自己紹介

初授業なので、自己紹介をしてもらいました。小学校でもずいぶん練習を積んだとのことで、全員がスムーズに言えていました。

Hi, I'm ... . Nice to meet you! I live in Tokyo. I'm a student. I'm 12.

I like ... , especially ... . (→2文)


8 文法 人称(I, you, he/she, we, they)とbe動詞を教えました。

生徒からは「一人称や三人称という概念はゲームで知っている(FPSなど)」「we areは曲の歌詞で知っている」「I am a studentやHe is Japaneseとかはもう習った」「でもareやamを突然見せられると読めない」との声が。小学校英語の成果と課題を感じました。たしかにかなり多くの表現を知っていますが、もじこ塾に来るくらいですから,単語を読めないことを自覚しています。

一人称・二人称・三人称、be動詞、動詞の活用、といった文法用語を教えてから、

各人称の後に続くbe動詞を(1)カードで示してもらい、(2)書いてもらい、(3)読んでもらいました。


9 音韻認識の練習

かつてはハリボー(グミ)を使っていましたが、昨今の情勢を鑑み、ペットボトルのキャップを使用。子音は青、母音は赤です。


コーンは教卓で使用
コーンは教卓で使用


フォニックスの進行

satipn
CVCのブレンディングの仕方、CCVCのブレンディングの仕方
hrmdgoul
a/o/uの聞き分け
fvjzwyzx
long a,e,i,o,u、マジックe
long a / ay (語末のayはlong aと同じ発音)

感想

これまでになく、英語を学ぶわくわく感にあふれている印象の新中1クラスです。すでにクラスにもまとまりがあって,今後の展開がとても楽しみです。

生徒のなかには、昨年の夏に助手が行った小6講座の受講生がいます。夏に4時間だけフォニックスを教えたのですが、ずっとご家庭で練習を続けていてくれたようで、大変定着がよいのは、フォニックス講座中の嬉しい驚きでした。

フォニックス講座に入った助手からは「英語に対する劣等感とか怖さとかないから 飲み込みが早い(教室で感じるできなさとか、他の子と比べられる経験がまだ少ないからとか?)」というコメントがあがってています。

もし、フォニックスを学んだことで、劣等感を持たずに済んだとしたら、フォニックスの効果はやはりものすごいです。

時間数はそれほど多くなくても、大学生が教えるのでも、小学生のうちに正しい方法でフォニックスを教えることは、底知れない効果がある。そんな結論に達しつつあります。



2022年2月3日木曜日

220201 純粋書字練習

OG講座に影響を受けて、最近は筆記体教材づくりに取り組んでいます。

そのことについて、コタくんが書いてくれました。 

~~

ここ一週間、もじこ塾では新たな取り組みとして、筆記体を素早く綺麗に書くという訓練を行っている。

自分も何度か行ってみて、やれば少しずつ慣れて来て記録が伸びてくるのだなということをしみじみと感じている。

※コタくんも最初は目標数の1/3ほどしか書けませんでしたが、コツをつかんで速く書けるようになりました。

       1分間で150回以上、52度の角度でスイングアップを書くのが最初のミッション


単純な作業ではあるが、しっかりと綺麗に素早く書こうと思うと中々難しい。中には、始めから綺麗に書ける子もいるが、字を線に沿って書くことが出来ない子がいたり、中々早く書けても字を綺麗に書くことが難しい子がいたりと様々である。

しかし、綺麗に素早く書ける子の特徴として腕がそれほど疲れないという特徴がなんとなくあるのではないかと感じている。無駄な力みが少ない分早く綺麗に書けるのかもしれない。

確かに、自分の実感としても綺麗に書くのはまだまだではあるが、素早く既定の数かけるようになってからは、それほど腕が疲れたという感じは少なくなっている

筆記体を書くときは、手は動かしていいが、腕は動かしてはダメらしいです。筆とはまったく違うらしいです・・・

字を書くという微細運動を行う際には、いかに効率の良い力だけを出せばよいのかということが重要なのではないかと思う。

もじこ先生の言うように、このトレーニングを行うことによる書字能力の向上は今後感じられてきたらまた報告させていただきたい。

中学生になっても、腕や手の使い方を明示的に教えるのは意味があるようです。


2022年1月7日金曜日

211229 フォニックス講座 byわっち

学習支援・多様性を支える教育に関心のある「わっち」君が、フォニックス講座の助手を務めてくれました。とっても詳しい、フォニックス講座の授業報告です:

フォニックス講座に使うもの:
フォニックス表、歯形模型、手鏡、ビンゴ、マウスシールド、ハリボー
オプション:ブロック体練習帳


ご覧いただきありがとうございます、助手見習いの「わっち」です。もじこ塾の冬季フォニックス講座についてご紹介します。

もじこ塾では普段から英語の読み書きに困難のある子どもに向けフォニックスをもとに読めるようになるための指導を行なっていますが、今回の講座は3日間で一通りフォニックスを学び学習への取っ掛かりを掴む入門編とも言える講座です。


〇フォニックス講座について

アルファベットの”a”は名前こそ「エー」ですが、読み方は”apple”,”all”,”ate”では異なります。文字や単語の認識が苦手なディスレクシアの方にとっては、それぞれの文字を捉え、音を繋げて単語を発音することに大変な苦労を要します。そこで、フォニックスを学ぶことによって正確な発音を身につけ単語を読むための方法を身につけていき、英語を「意味不明な文字の羅列」から「頑張れば解読可能な言語」にしていきます。そのために、まずは各アルファベットに対応してどんな音があるのか、そして発音にどんな法則があるのかをじっくり学んでいきます。


今回はマンツーマンでの指導となりましたが、保護者の方にも参加していただき、先生と助手を合わせ4人で取り組みました。ご本人は普段先生が黒板に書く英語を読んだり覚えたりするのが難しいとのこと。3日間頑張りましょう!


〇アルファベットの練習

英語は、自分が書ける単語しか読むことはできません。→そんなことはないです(汗)。書ける以上に読める単語は多いです、特にディスレクシアは。

純粋書字訓練を行うのは、「書けるようになると、読めるようになる」からなのです。もっと不思議なのですが。


ディスレクシアの方にはしばしばアルファベットを書くことの困難も見られることから、まずは正確に書くためにアルファベットを構成するパーツを練習していきます。

※そうなのです。ディスレクシアは「読めない」ことのはずなのですが、なぜか書字そのものにも苦労する一派がいます。書くことの不器用、あるいはいろいろ手一杯できれいに書くことまで気が回らないなど。。


日本語とは形が異なるため初めは不恰好でも、少し練習すれば上手くなっていきます。なかなか学校でアルファベットを綺麗に書く練習を時間をかけてすることは少ないですし、そんなことより単語の暗記や文法が優先で進みますから意外と重要な過程です。

※もじこ塾では、専用の練習帳を作り、取り組んでもらっています。


〇フォニックス学習

次にいよいよフォニックス学習です。英語の読みは44の音からなります。頻繁に登場する音もあれば一部の単語にしか使われない音もありますから、頻度順に並んだ表を使って練習していきます。



初めはやはりアルファベットの名前と音の混同がありましたが、初日は頻出29音(!)も扱うので段々と慣れていきます。透明なフェイスシールドを着用し口の動きを確認しながら一つ一つ学んでいき、時には舌の動きを正確に表すために口の模型も使用したりしながらイメージを掴みます。

日本語の発音とは舌の動かし方も異なるので普段使わない筋肉が必要です。もじこ先生は正確な発音のために舌のトレーニングもなさったとのこと!英語でも筋トレは有効なんですね。

※私はフォニックスを教えようと思ってから歯列矯正を行ったのですが、その一環で矯正歯科で舌のトレーニングを行いました。ちなみにテキストはこちら→


正確な発音はディスレクシアの方にとって文字と音を繋げて覚えるために必須です。とっても疲れる学習ですが、なんと今回はとってもタフな受講生で集中が続いたので一気に29音、進めることができました。すごい!


音の確認ができたらビンゴゲームで読みを練習していきます。英単語が並んだビンゴシートの単語を参加者で順に読み上げていき、いくつかのルールのもとに列を揃えることを競います。初めて自分で読む単語を一つ一つ音を確認しながら繋げていくのは大変で、ビンゴの戦略にまで頭が回らなかったかもしれません(笑)ですがゲーム形式だと取り組みやすく、ご家庭でも継続していけば自然と読みが身についていく気がします。他にももじこ塾では多種多様なゲームが用意されていて、遊びの中で英語の発音に多く触れインプットの絶対量を増やすなかで「音で単語を覚える」ことから定着を促しています。

※なんでもゲーム風にすることが、ディスレクシア英語教育では大事だと思っています。

この教材の見本を公開しています→


英語の発音でも特に特徴的な"Magic e"と呼ばれる発音の法則についても学習しました。最後に"e"がつく単語は直前の母音の音が変化しますが、単語や文全体を見渡して捉えることが難しい特性がある場合はなかなか注意を向けづらく、間違えやすい発音の一つです。法則を覚えて新出単語を読めるようになる、というよりかは、各単語の発音を教える際に“fat”“fate”でなぜ読みが異なるかを説明するための道具に過ぎないかもしれません。


初日は覚えることばかりで大変だったと思いますが、口の形などコツは掴んできていて早速効果が出てきているように感じました。授業の最後には自分の発音を録音して家でも練習できるようにし(やはり自分の声・発音を聞くと覚えやすい人もいるそうです)、次回に備えました。



2日目、3日目も基本的な流れは同じです。アルファベットの書き方や新しい音を勉強しながら、復習を兼ねてビンゴやカードゲームを通じ読みの練習をしていきます。段々慣れてくると戦略性も見えてきて盛り上がります笑

習熟度が上がってくると、これまでは単語を構成する音を繋げて呼んでいたのを、逆に単語の読みを聞いていくつの音に分解できるかを捉えてみる練習もします。聞こえた音を一つ一つ分解・検討してフォニックス表のどれに対応するかを考えるのは特に難しいうえ疲労の大きいチャレンジで、数単語取り組むともうヘトヘトでした。

※音韻認識の練習ですね。これは疲れます。でも大事です。


〇最後に

一口にディスレクシアと言っても人によって特性は全く異なります。フォニックス表の音を練習すれば読めるようになるかと言えばそうではなく、得意・不得意に応じて練習方法を変えたり、ペース配分を考えたりと個人に応じた設計も重要です。3日間でも、適切な練習・環境を整えれば英語が全く読めなかったのが改善に繋がり、英語に対する認識がガラッと変わる様子が見て取れました!


段英語が読めない・読みにくいと学校の授業も何を書いて言っているのか分からず、モチベーションどころの話ではないと思いますが、学び方で大きく変わります。これをご覧になっている方でもし普段英語を学ぶ上でお困りの様子が見られたら、ぜひ一度ご相談ください!


今回とは別の生徒のものですが、音韻認識の練習

特性持ち教育の修業中で、いろんなことに挑戦中のわっち君。当事者ではないのですが声かけがとても上手で、生徒さんも心を開いていました。
生徒さんもわっち君も、お疲れ様でした!

2022年1月1日土曜日

211223 高1クラス(フォニックスのあとは、音節がわかると読みやすいかも)

※OGトレーニングで習った「6種類の音節」→を、高1とコタくん、そして中1にさっそく教えてみました。その報告です:


今週は、音節がフォニックスとよく関わっていることを、水曜日の授業で感じた。

音節とは、先週の木曜日に高校生の授業で新しく触れた内容であり、自分も参加させてもらって初めてしっかりと学んだ。

音節は6種類あり、フォニックスと音節のルールを使うことによって、かなり多くの単語を読むことが出来ると感じた。

音節とは、簡単に言えば母音と子音がいくつかつながった音の塊で、漢字で例えると、部首と作りのような関係である。例えば、hiやsoなどは「ヒ」や「ソ」と読むのではなく、「ハイ」や「ソウ」と読むなどのルールである。(厳密に発音するとハイやソウとも音は似ているが違う)このルールを基本として、多くの単語が構成されている。

そのため、音節を勉強しておくことには、なんとなく意味があるのではないかと感じられた。

しかし、第二言語として英語を習得する日本人にとっては、音節を勉強するのは、少なくとも中学生以降で良いのではないかと感じた。

もじこ先生と行った、海外サイトの勉強ゲームのようなツール→を使うことで、より分かりやすく訓練ができるのではないかと感じている。

                                   実際のツールの画面。
  

音節は、長くコツコツやることが定着に繋がるのではないかと感じるため、授業で扱うにしても、それほど多くの時間を割かなくても良いと感じる。

しかし、ディスレクシアにとっては、フォニックスと同じように、知っていて損はないと感じた。

※難しい内容でした。。そもそも、もじこ塾の多くの生徒は音節分けに苦労します(childrenは2音節、smartphoneを2音節、computerは3音節です)。そんななか、コタくんと高校生は「本当にこれで読めるようになるのか?」「すぐに例外が出現するのだが」と半信半疑ながら積極的に取り組んでくれました。どうやら、高校生向けに多少のアレンジが必要ですが、かなり有用な予感がします。