2019年12月12日木曜日

191125 時雨くん(筆記体の効果)

時雨くんより:

今回は「筆記体の練習の効果について」とお題をいただきました。

筆記体を始めてからブリッジを気にするようになり理系教科でアルファベットを書く時の一意性が上がったこともありますが、それ以上に英語の文のリズムが身についたように思います。

oとsの間が「ブリッジ」。
最初はcosも書けなかったのです



英作をしているなかで修飾を含めた名詞をいれる型が出てきやすくなり、方針が早く決まるからこそ一つ一つの修飾被修飾の塊を考えることに集中できて文を複雑にしやすくなったように感じます。





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「筆記体をやって、英語の抑揚やリズムがわかるようになった」
Σ(゚Д゚)という驚きの告白をしてくれた時雨くん。

何が不思議って、字を"書く"練習によって、抑揚やリズムといった英語の"音楽"を体得しているところです。
文字と音には不思議な関連性があるようで・・・

どういうことなのか、考えてみました:

 ・時雨くんには,数学や物理の格言を書いてもらっています。
格言というのは、抑揚がとりわけ強調されたフレーズです。
抑揚が正しく強調された文を頭の中で何度も音にすることで,英語のリズムが身につくことは十分考えられます。

・「書いている最中は、頭の中で音にしている」。1つの格言を4~5回書くのですが,「4回目にはだいぶ音を覚えている」。
書くペースというのは,黙読はもちろん,音読のペースよりも遅いわけですが,これがデコーディング(頭の中で文字を音にする)のペースとちょうど合っているのかもしれません。

・純粋書字練習によって協調運動が整うことで、それまで理解できなかった抑揚が理解しやすくなっているのかもしれません。

時雨くんの英語の字は、以前よりも判読しやすくなりました。
また,話す際にも音読する際にも(自分ではわからないらしいですが)ちゃんと英語の抑揚がついていますし,抑揚が間違っているときは,たいてい構文を勘違いしています。
・・・とこのように,書字も抑揚も進歩しているのですが,それが筆記体効果という一本の線でつながっているとしたら驚きです。

・時雨くんは「抑揚からわかる意味がある」(゚Д゚)とも言っています。
(他の生徒もまったく同じことを言っています。)
時雨くんも単語を覚えるのに相当苦労していますが、その分、単語と意味の一対一対応を超えたところで理解できる意味があるようです。


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授業内容
・宿題
和文英訳(1日1本)
筆記体(1~2日で1つ)

・授業(80分×週3回)
英会話(10分以上、質問に英語で答えてもらう。中学生と同じ教材)
鉄壁(毎週1章、単語テスト:単語を見て日本語を答える)
精読(下線部を正確に読んで、和訳する)
読む量を減らして解く(どれだけ少ない読字量で問題を解けるか)


IDAに行って、このメニューはアメリカで想定されている典型的なディスレクシア用読字訓練にかなり近いらしいと分かりました。
この内容は本当にハードで、普通では考えられないレベルの覚悟と体力が必要です。