2020年4月6日月曜日

200326 フォニックス講座(byみかんさん)

フォニックス講座は、平日のみ行いました。
感染防止に最大限配慮しながら行っています。

みかんさんが、フォニックス講座の内容を、とてもわかりやすく報告してくれました:


こんにちは、助手のみかんです。今日は、新宿教室での春季講習の様子をご報告します。



私が助手として参加したのは、新中2〜新高1まで、幅広い学年の生徒さんが参加したフォニックスの講座でした。
本来であれば3日間開講されるはずだったこの講座ですが、コロナウイルスの影響により、2日間に短縮して実施しました。その講座の第1日目の様子をお伝えいたします。

フォニックス講座の教具たち

今回の講座の主な目的は「フォニックスを覚える」こと。
開始前にアルファベットの神経衰弱でアイスブレークし、それから自己紹介をしたところで、
まずは「読み」にも効果のある筆記体を書く練習をしました。
(↑ここ注目!筆記体が"書ける"ようになると、なぜか"読める"ようになるのです)

この日はまず、実際のアルファベットを書く前に、ひらがなを書く時にはない動きの練習をしました。
(フォニックス講座では、筆記体練習帳の前段階である「ブロック体練習帳」に取り組んでもらっています)

アルファベットを書く時に見られる
「スイングアップ」(wを書く時に見られる、一度上に上がってまた下がる動き)や
「スマイル」(aやdなどの書き終わりに見られる)、
「アーモンド」(aやdなどの輪の部分。数字の0のようにまっすぐ時計で言うと正午から始まるのではなく、2時の位置くらいから書き始める。平行四辺形のように書くのがポイント)、
「バウンド」(nやmを書く時に見られる、一度下がったらまた上がる動き)などの形を書いていきます。
一見単調で簡単そうに見えますが、実は結構難しいです。参加した生徒さんも、時々首をひねりながら書いていました。


スイングアップ


ブロック体を書く練習が終わったら、本題のフォニックスの学習に入ります。
まずは、フォニックス表に沿って、アルファベット1文字1文字と、それぞれの音の対応を学びます。



(受講者にはあらかじめ、この動画を見てもらっています。
それでもなお、直接来てもらって学ぶことは、ものすごくたくさんあります)

発音をする前に、まず先生の発音を聞き、生徒さんに真似をしてもらいます。その後、どのようにその音を出すのか、歯科模型とフエルトで作った舌を使って先生が説明します。

生徒さんはすでに先生が音の出し方を説明する前から、ほとんどの音を発音することができていましたが、特に”ask”のa(口角を上げて発音するa)は、発音が難しそうでした。
口角が上がったキャラクターの口元も参考にしつつ、他のoやuの発音と何が違うか、明示的に学びます。

aは口角を上げて!


また有声音と無声音の兄弟(例えばsとz、fとp)についても学びました。
個人的に、発音について面白いと感じるのは、日本語と英語での、口の筋力の使い方の違いです。
今回の講座でも、pの発音が、日本語で「パパ」というときの「パ」と、英語のp(というか、どのくらい筋力を使うか?)がどのくらい違うのか、顔の前にティッシュを持っていって、それぞれ発音して違いを確かめました。
こうすると違いは歴然で、(英語と比較すると)いかに日本語が筋力を使わないで話すことができる言語なのかよくわかります。

ひととおりフォニックス表の発音を学んだら、フォニックスビンゴと、フォニックス版UNOをしました。
ここからはアルファベット1文字ではなく、単語としての読み方を学びます。
例えば”net”という単語は、n-e-tと1文字1文字まずフォニックスを読んでから、つなげて読みます。(これが「ブレンディング」と呼ばれるものです)
子音のみの音を、ローマ字のように母音をつけて読まないように注意しながら発音します。
フォニックスビンゴ。
(フォニックス講座のものではなく、もう少し後の段階のものですが)
字の形が似ているアルファベットの読みに苦戦している様子も何度か見受けられました(例えばpをdの音で読むなど)が、
ビンゴというゲームに乗せて無理なくフォニックスを学ぶことができます。
初めて同士で生徒さんもとても緊張したと思いますが、フォニックスビンゴもUNOも、普段の授業では、慣れてくると徐々に戦略を編み出したり、いかに生き残るか、あるいはゲームで1番になるかでとても盛り上がります。
(ゲームは、単に遊んでいるわけではなく、特定の活動を仕向けるようなルールを設定するのがポイントだと思います。
たとえば、UNOではToday's Specialというカードを入れています。これを出した生徒は、10秒間でフォニックス表を順に読み、読めた文字の数だけカードを引けて、それを他のプレーヤーに押しつけることができます。生徒はできるだけ多くのカードを引きたいので、必死になってフォニックス表を読み進めようとします)

この日は「フォニックス」とは何か?という話に始まり、それぞれの音をつなげて単語を「読む」段階まで行きました。
2時間の講座でしたが、似ている音との違いを区別したり、自分で発音する練習を何度もしたので、とても疲れたと思います。
(はい、フォニックスはとても疲れます。音素に注目するのはとても耳が疲れるようです)


今回講座に参加した生徒さんは、新中2〜新高1まで幅広くいましたが、フォニックスはこれまで学校の英語の授業では扱われてこなかったため、少なくとも1年間、また長い人は3年の間、中学1年生の頃からずっと英語を読むことに苦労してきたのではないかと思います。
そのような状況で英語の授業を聞くことはひたすら苦行か、あるいは聞いても右から左へ…となっていたかもしれません。
講座で学んだことを何度も思い出して、今後の英語学習が少しでも本人にとって楽しめるものになることを願います。